レポートを作成して分析しよう
前の2つの設定は、分析のための下準備にすぎません。ここからが本題です。
まず、必要なデータだけを抽出するために、カスタムレポートを作成します。
- 設定メモ
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- ディメンションには設定した位置(カスタム変数の番号)のキーと値をセットする
- 指標にはユーザー数(ユニーク訪問者数)、訪問(訪問回数)、新規訪問数、サイトで重要な目標のコンバージョン率をセットする
この結果、以下のようなレポートが完成します。
ここからいくつかの指標を算出し、エラーの影響を分析します。
1. エラー体験率
- 指標の定義
- エラーページを閲覧したユニークユーザー数÷サイト全体のユニークユーザー数
エラーページの表示回数ではなく、何%のサイト訪問者がエラーを体験したかを把握するために、エラーページを閲覧した訪問者数をサイト全体のユニーク訪問者数で割ります。
Google Analytics上ではこの指標をレポートに表示できません。2種類のユニークユーザー数を日別または週別で集計し、Excelの表を作成します。
サイトのユーザー数が増えればエラーの数が増えるのは自然です。エラー体験率がいつもよりも増えていないか、増減のトレンドを定期的に確認します。
2. 新規訪問エラー率
- 指標の定義
- エラーページを閲覧した新規訪問数÷サイト全体の新規訪問数
初めての訪問でエラーが発生するのは、門前払いと同じです。「サイトの良さを知る前に去ってしまい二度と戻らない」「サイトやブランドに対する信頼を失なう」などのリスクがあります。運営側にとっても、集客にコストをかけている場合、直接的な損失が発生します。エラーページの新規訪問数をサイト全体の新規訪問数で割ることで、新規訪問のうち何%がエラーを体験したのかが分かります。
この指標も増減のトレンドを定期的に確認します。高いほどエラー対策の緊急性が高い、と判断できます。
3. エラーコンバージョン率
作成したカスタムレポートの目標コンバージョン率をみると、エラーを体験したにも関わらず目的を達成できたかどうかが分かります。
迂回、回避、再トライなどの結果、何とかコンバージョンに至っていれば、ビジネスへの直接的なダメージは少なかったと判断できます。エラーの発生はユーザーに対して不親切であり、サイトの信頼度も下がるので放置してよいわけではありませんが、かけられる時間とコストが限られている以上、ダメージの大きい深刻なエラーを優先的に解消する必要があります。
「4. エラーページ離脱率」と「5. エラー再訪問率」については、次回に取り上げます。