定点観測で変化を知る
単なるエラー発生回数ではなく、ユーザーにとっての影響や行動を表す指標を定期的にモニタリングすることで、機会損失を早期に発見し、改善の優先度を適切に判断できます。紹介した3つの指標を組み合わせて、以下のようなフローで判断するとよいでしょう。
今回は、サイト全体におけるエラーページの影響をおおまかに調べる方法を紹介しましたが、変化が見つかった場合は、どのページからどのページへ遷移した時にエラーが発生しているのかを、イベントトラッキングのレポートやシステム側のログで細かく調べる必要があります。
まとめ
今回紹介したように、簡単な設計と実装だけでも、影響の大きさを定量的に判断するための有意義な指標が得られます。
- 今回のポイント
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- 工夫すれば、ユーザーエクスペリエンス(UX)は指標化できる
- 改善点を早期に見つけるため、定期的に変化をモニタリングする
今回は、エラーの影響を判断する方法について紹介しました。次回はさらに踏み込み、ビジネスへの影響を理解する方法と、エラーページを最適化するための分析方法について紹介します。
著者:清水 誠 (しみず・まこと)

Webアナリスト。1995年国際基督教大学を卒業後、凸版印刷やScient、Razorfishにて大手企業へのWebコンサルティングとIA設計に従事した後、ウェブクルーでは開発・運用プロセス改善、日本アムウェイでは印刷物のデジタル化とCMS・PIM導入、楽天ではアクセス解析の全社展開、ギルト・グループではKPIの再定義とCRMをリード。2011年9月に渡米、マーケティング製品の品質改善に取り組む傍ら、執筆活動も続けている。サンクトガーレン社外CMO、電通レイザーフィッシュ社外フェローも務める。