もはやEquallogicだけじゃない!
デル、ストレージ戦略「Fluid Dataアーキテクチャ」を披露
2011年06月01日 06時00分更新
5月31日、デルは「Fluid Dataアーキテクチャ」という仮想化ストレージ戦略の説明会を開催した。ストレージ製品としては久しぶりの戦略発表会で、デルはイコールロジックなど同社が買収してきた企業の製品を体系付けた。
ストレージ製品の体系付けに着手
デルがストレージに注力してきているのは、ここ3~4年になる。M&Aをほとんどやってなかったデルが、2008年のイコールロジック買収を皮切りに、スケールアウトNASのエクサネット(2010年)、圧縮・重複排除の技術を持つオカリナネットワークス(2010年)、マルチプロトコル階層NASのコンペレント(2011年)などのストレージ関連のベンダーを次々買収。昨年はHPとの3PAR買収合戦も話題となった。この結果として数多く抱えるようになったストレージ製品の立ち位置や全体戦略を説明するのが今回の主題となる。
発表会においては米デル 日本アジア太平洋地域 インテリジェントデータ管理ディレクター エイドリアン・ジョンソン氏、デルの執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ・グループ 町田栄作氏が仮想ストレージ戦略を説明した。
まずジョンソン氏は、IT予算の80%が現状維持だけに使われている現状を紹介しつつ、ストレージがインフラ費用の18%におよぶ点、人件費がストレージコストが60%かかっている点、あるいはバックアップの15%、リストアの40%が失敗しているといったストレージの非効率性をアピールした。これに対して、同社は仮想化ストレージ、iSCSI/10GbE、階層化、そして低廉なコストといった点を訴求している。そしてよりインテリジェントなデータ管理を実現するための戦略として、今回発表されたのが「Fuid Dataアーキテクチャ」である。
Fruidとは、「流動的」とか、「流れる」といった意味で、Fruid Dataとは動的なステータスを持つデータを表すという。アクティブに利用するデータをSAN・NAS、静的なデータのバックアップ、オブジェクトストレージ、アーカイブなどの製品を割り当て、「適切なデータを適切なストレージに適正コストで」データ管理を実現するというものだと説明される。
具体的にはストレージの仮想化や統合、マイクロソフト、オラクル、SAPなどのアプリケーション統合や最適化、分散型オフィスの構築などにはEqualLogicとCompellent、高度なデータ保護とリカバリにはPowerVault DL、データの階層化やアーカイブにはDX Object Storageなどの製品が提供されるという。特に仮想化ストレージとして共通項目の多いEqualLogicとCompellentだが、iSCSI専用のEqualLogicが小~中規模、マルチプロトコルのCompellentが大規模向けという区分けになるようだ。
発表終了後には、コンペレント製品のデモも行なわれ、ボリューム作成や拡張、レプリケーション、ディザスタリカバリ(DR)などをGUIのツール上から実際に行なわれた。シンプロビジョニング時に余剰容量をとっておかないで済む、DRのときに事前にテストが行なえる、戻しが容易に行なえるといった点がユニークだという。
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