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統合型AR技術「SmartAR」インタビュー

ARはまだ始まってもいない ソニーが突破した4つの「制約」

2011年06月23日 12時00分更新

文● 近江 忠

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ツールかエンタメか、どちらかに振り切る


―― この技術をユーザーにどう見せるかが鍵だと思うんです。企画する側にはこんな風に考えてほしいというイメージはありますか?

福地 ARって、エンタメとツールと両方あるんですよ。「ナビしてほしい」「メニューを出したい」というのはツールだし、ゲームでやったようなものはエンタメ。さっき話していた「被災地でかざす」といったようなものがいちばん微妙で、その「どちらでもあるAR」というのはけっこう考えやすいんです。でもそれを考えるときには、一度ツールかエンタメかどちらかに振りきって、「結局ARには何ができるのか」というところを考えてほしい。エンタメ寄りすぎのものをツールに戻したり、その逆を試してみたり。そういう感じかなと思います。

芦ヶ原 将来的には誰でも使えるもの、PowerPointとかカメラみたいに、それを使って自分らしさが表現できる、コミュニケーションできる。そういうツールとしてARが広まればいいなと思っています。そのためには、何でも認識できて、誰でも使えなければいけない。そういうツールとなっていくのが理想だと思っています。


―― ARの進化は止まらないんでしょうか? まだまだぼくらの知らない技術が出てくるような感じなんですかね。

福地 そうだと思います。何もまだ始まっていない感じだと思います。やっと「続けていいよ」と言ってもらえたくらいで。

芦ヶ原 たとえばいま、ブラビア(液晶テレビ)のWebサイトに行くと、「ARレイアウトシミュレーター」というアプリを出しているんです。部屋にブラビアを置いたように見えるようなものです。そういったことをやりつつ、今回はマーカーレスのARを発表することになったという感じですね。ソニーとしてはARというのを使ってまったく新しいものを作ろうとチャレンジしています。

ARレイアウトシミュレーター


―― なるほど。今回、発表会と一般公開の反応はどうでした? メディアの人間って、ちょっとやそっとじゃ驚かない、すれっからしみたいなのが多いじゃないですか。

福地 プレスの皆さまも「すごいね」と言っていただけて、単純に勇気づけられました。すごく嬉しかったです。一般公開では、会場には1日500~800人、合計2000人弱に来ていただけました。子供さんも、何も教えなくても触っていただいて。インターフェースデザインの担当者は何より嬉しかった、と言っていました。


―― 子供のうちからそういうのに触れられると違いますよね。

福地 たしかにうちの子も喜んでましたからねー。


―― お子さんまで!

(次ページに続く)

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