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データセンターが集中する関東圏での施策

オラクル、ハードウェア製品における省電力対策を披露

2011年05月31日 09時00分更新

文● 渡邉利和

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5月27日、日本オラクルは旧サン・マイクロシステムズのハードウェア製品群における省電力対策に関する説明会を実施した。ハードウェアに実装される省電力機能を個別に見た場合は他社との大きな差は感じられないが、旧ストレージテック製品であるテープライブラリの省電力効果をアピールした点は目新しいといえるかもしれない。

データセンターは関東圏に集中

 東日本大震災の影響で、東京電力管内を中心に深刻な電力不足が懸念されている。特に冷房需要が高まる夏期を目前に、一般企業に対しても電力消費量の削減が強く求められる状況になっているのは周知の通りだ。こうした状況を受けて、ITベンダー各社は節電のための支援体制を強化しつつある。サン・マイクロシステムズの買収によってサーバ/ストレージといったハードウェア製品をラインナップに加える形になったオラクルも、省電力のための取り組みについて説明を行なった。

日本オラクル 執行役員 システム事業統括 システム営業統括本部長の野々上 仁氏

 まず登壇した同社 システム営業統括本部長の野々上 仁氏は、同社の大きなコンセプトとして“Hardware and Software Engineered To Work Together”というタグラインが掲げられていることに触れ、「オラクルからユーザー企業に提供したい価値は“ビジネスパフォーマンス”であり、アプリケーションのパフォーマンスを重視して最適化を行なう」という方針が語られた。

 省電力機能についても同様で、ハードウェアやソフトウェアで個別バラバラに機能を実装してそれでよしとするわけではなく、全体で最適化された形でユーザーが利用しやすいように統合的に提供するという意識が感じられる。

 同氏はまた、調査会社のデータから「データセンターが関東圏に集中している」ことを指摘した。2010年のデータでは、データセンターの72%が関東圏で稼働していると推定されるという。これはつまり、東京電力の電力供給状況によって直接影響を受けるデータセンターが多数存在することを意味する。そこで、夏に向けてデータセンター内での消費電力節減を実現することが重要になってくる。特に旧サン・マイクロシステムズのハードウェア製品は、データセンター内で利用されるような大規模なサーバーやストレージを中心としているので、“なおさら重要”という面もある。

データセンターの72%が関東に!

 同氏は、比較的短期間で実行できる対策からより本質的な対策へという流れのロードマップとして、「既存データセンターの節電」「デスクトップ環境の見直し」「高密度統合による効率化」という3段階の取り組みを紹介した。簡単にいえば、「既存データセンターの節電」はハードウェア製品の省電力機能の活用、「デスクトップ環境の見直し」は旧サンのシンクライアントシステムであるSun Rayの活用、「高密度統合による効率化」は、仮想統合によるサーバーコンソリデーションとなる。

 こうした流れは、おおむね各社共通ともいえるが、あまり競合製品が存在しないという点でユニークといえそうなのが、大規模なテープライブラリの活用によるストレージでの省電力化と、デスクトップをPCからシンクライアントに移行することによる省電力化が挙げられるだろう。

電力削減のためのオラクルの戦略とは?

ハードウェアとOSの設定の整合性

 続いて、システム事業統括 ソリューション統括本部 プロダクト&パートナーソリューション本部 マスター・プリンシパル・セールスコンサルタントの大曽根 明氏が、具体的な製品の省電力機能について紹介した。

 まず、サーバーの消費電力削減に関しては、同社の統合管理ツールである「Oracle Enterprise Manager」の「Ops Center」でサーバーの消費電力量のモニタリングや一括設定管理が可能であることを紹介した。また、パワーキャップ機能を使うと、サーバーごとに教養消費電力量の上限を設定できるのだという。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerで省電力

 サーバーの省電力設定に関しては、ハードウェア側でのファームウェアによる設定とOSの設定の両方が必要で、整合性が保たれていないと本来の性能が発揮できない。ハードウェアとOSの開発元が独立しているIAサーバーの場合は、この両方の設定を整合させる責任はユーザー側に任されてしまう。一方、ハードウェアからソフトウェアまですべてを一貫して提供する体制にあるオラクルでは、こうした整合性を維持しやすい点はメリットとなるだろう。

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