谷口選手から番場選手へ
スーパー番場タイム(S・B・T)始動!
谷口選手は4位をキープしつつ、22周目でピットイン。番場選手に交代してタイヤも新品のハードタイヤに交換したのだった。このときの状況を谷口選手に聞くと……。
谷口選手:「終始キツかったですね。昨日のノックダウン予選Q3で、思ったよりタイヤを使っちゃったうえに、今朝の雨で路面のラバーが全部流されちゃって、マシンもアンダーステアになってて。全然クルマが曲がらなかったんですよ。序盤の混戦はマシンのパワーで行けたんですけど、そこから後はジリ貧で。後ろは押えられるけど、前がどんどん離れていっちゃう。なので、ミニマム(短距離)でピットに入って、あとは番場選手にロング(長距離)を任せました」
まさか、あの雨にそんな影響があったとは。番場選手に替わってコースに戻った頃には16位にまで順位を落としていた。しばらくは13位のままだったが、ライバルたちのピットインやトラブルにより、徐々に順位をあげて6位に浮上したミクZ4。その前には#87 ランボルギーニ、後ろにイカ娘フェラーリという膠着状態がしばらく続く。そして、45周目を過ぎた当たりでレースが動いた。#43 ARTAガライヤがマシントラブルのためにピットインし、そのままストップしてしまったのだった。
途中で1位にまで上り詰めたエヴァ紫電は、ドライバー交代のピットインで4位に下がり、エヴァ紫電、ミクZ4、イカ娘フェラーリという、痛車の三国鼎立が完成。ミクZ4とイカ娘フェラーリはエヴァ紫電をパスし、それぞれ順位を上げた。これにより、ミクZ4が4位、イカ娘フェラーリは5位、#74 カローラに抜かれたエヴァ紫電は7位となった。
前を行く#87 ランボルギーニとのタイム差は20秒近くあり、残りの周回数を考えても何かが起きない限り逆転は難しい。一方、すぐ後ろのイカ娘フェラーリとのタイム差は1秒を切るほどの大接戦。ここからファイナルラップまで“ミクZ4 vs イカ娘フェラーリ”のガチバトルが繰り広げられたのであった。
番場選手:「GT500が絡む(GT500に抜かせる)ときは特に気を付けました。500にぶつけてもダメだし、スキを突かれて(イカ娘に)抜かれてもダメですしね。なんか残りの数周は心理戦みたいでした。山内選手はクルマのミラーの死角に隠れるんですよ。どこいったんだ? と思ってると抜きにかかってきたり。でも今日は今まで一番冷静でいられましたね。早い段階で、焦りそうになる自分に気付くようになったんです」
と、番場選手はイカ娘とのバトルを振り返った。結果的に、チェッカーを先に受けたのはミクZ4であったが、正々堂々とバトルした山内選手にもシートからは惜しみない拍手が送られていた。レースとしては、最後の最後まで抜きつ抜かれつのバトルを制した#66 でちゃうアストンが1位、バラストを30kgも積んでいるとは思えないスピードを見せた#11 JIMゲイナー 458が2位、そしてポジションを堅持した#87 ランボルギーニが3位という結果であった。開戦まで岡山では、コーナリング特性に優れる国産(JAF-GT)マシンが有利だと言われていたが、ふたを開けてみれば1~5位まですべてFIA-GT車両になった。
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