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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第66回

サラウンドヘッドホンで深夜でも映画を楽しむ技

2011年05月24日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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コストパフォーマンスの高さが魅力
ATH-CL550を試す

オーディオテクニカの「ATH-CL550」。電源は単4型充電池もしくは乾電池2本で、駆動時間は約30時間

 「ヘッドホンに何万円も払えないよ」という人には、オーディオテクニカの「ATH-CL550」がお薦めだ。実売価格が8000円前後と手頃な製品だ。本機も複数台で利用可能で、増設用ヘッドホンの実売価格は約5000円と安い。

 ATH-CL550は赤外線方式のワイヤレスサラウンドヘッドホンである。ヘッドホンをトランスミッターにセットするだけで充電できるのが便利で格好いい。ヘッドホンは重さ約210gと軽いうえ、頭に載せる部分にはフリーアジャストのウィングが付いており、装着感は快適。MDR-DS7100と比べると、耳を包み込む感じはなく、音漏れもしやすい。

フリーアジャストウィングが耳に優しくフィットする

ヘッドホンの左側には電源ボタン、右側には音量調節ダイヤルを備える

 音声入力はミニヘッドホン端子のみ。付属のケーブルでアンプやステレオと接続する。iPhoneやiPodに直接つなぐことも可能だ。

 赤外線方式を採用しているので、ヘッドホンの受光範囲は限られる。距離は正面が約7m、45度の角度で約2mまで。通常はテレビの上下にセットすることになるだろう。少々動いた程度では問題ないが、別の部屋に移動すると完全に聞こえなくなる。

 音質は可もなく不可もなくというところ。プロセッサーの正面左側にあるスイッチを切り替えることで、3Dサウンドの「WOW」や重低音を効かせる「TruBass」を利用できる。臨場感とまではいかないが、ひととおりの音は再生できるし、音を大きくすれば迫力も十分だ。

写真左に見えるスイッチで、WOWやTruBassといったサラウンド機能を切り替えられる

 時々受光範囲内にいても、ひどくノイズが入ることがあるが、大抵の場合はわずかに場所を移動するだけで消える。ただし、映画に集中しているようなときにノイズが出ると、やや気になる。赤外線方式の弱点だろうか。一方で、プロセッサーとヘッドホンの間に少々の障害物があっても、支障なく聞こえるのは利点だ。後ろを向いたり、クッションに顔を埋めたりしても、音は途切れなかった。

 ATH-CL550は、映画を観る際にそれほど音質を気にしない人や、テレビの音やBGM用として使う人にお勧めできる。高音質を求めるなら、MDR-DS7100のようなデジタル無線方式の製品を選ぶといいだろう。

 ワイヤレスサラウンドヘッドホンがあれば、映画やテレビ、音楽の視聴スタイルが今までよりも自由になる。見過ごされがちなアイテムだが、手に入れれば深夜の映画鑑賞が楽しみになることは間違いない。

■Amazon.co.jpで購入

筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)、「Linkedln人脈活用術」(東洋経済新報社、共著)。


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