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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第94回

諸君!革命的美人ブロガー安全ちゃんに刮目せよ!

2011年05月25日 12時00分更新

文● 古田雄介(@yskfuruta

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キャッチーな素材に
万人受けしないテキストを盛り込む

―― まずはブログを始めたきっかけを教えてください。

安全ちゃん 夜中、急に「革命的オリーブ少女主義者同盟演説」を思いついて、動画を撮ったのがきっかけですね。せっかく撮ったからネットで公開しようと思って、動画を紹介するためにブログも開設したという感じです。

 ネット自体は小学生の頃から見ていて、個人的なサイトを開いては閉じてみたいなことも何度か繰り返していました。なので、ブログ開設や動画のアップは苦にならなかったんですけど、「安全ちゃんオルグ日記」は私の中で初めてきちんと読者に見てもらおうと意識してスタートしたので、最初はその辺が大変でした。

安全ちゃん。論理的な記事のためか、読者からは男性と思われることが多いという。「男性と思われるのは別にいいんですけど、『こんなこと書く女はいるはずない』というニュアンスで言われるのは嫌ですね」と話していた


―― でも、動画アップの3日前(2008年2月)に上げた初記事「安全ちゃんのはじまりとすべての夢」で、すでに明確な方向性を打ち出していますね。硬派なユーモアを織り交ぜて「貧困ガール」の自分を紹介するという。

安全ちゃん ありがとうございます。とにかくネットで話題になって多くの人に読んでもらうには、どうしたらいいかと考えたんですよ。ブックマークされやすいタイトルにして、本文は「たまごっちのセット売り」みたいな……有意義な情報やキャッチーなネタに万人受けしないテキストを盛り込むという形を意識していますね。

 このブログを始める前までは、そういう工夫をするのはちょっと恥ずかしく思っていたんですよ。そういうひねくれたところが駄目だなと思って、貪欲にアクセスを稼ぎにいきました。

冒頭の動画「革命的オリーブ少女主義者同盟演説」は、2003年に廃刊した女性向けファッション&カルチャー誌「Olive」の愛読者(オリーブ少女)に向けて、全共闘世代のアジテーションスタイルで共闘を呼びかけている


―― 意識が変わったのはどんなところから?

安全ちゃん 何か表現しても、ネットの中に埋もれてしまうのがもったいないことだと感じていたところが大きいですね。私が面白いと思うサイトって、すごく発見しづらいものが多いんですよ。

 本当に面白いのに宣伝に無頓着だから注目されなかったり、逆に人気になるのが嫌でこっそり移転する人もいたり。その一方で、ネットで話題になりやすいのは、釣り記事や炎上記事のような週刊誌的なネタだったりするじゃないですか。それであるとき、ネットの多様性がなくなってしまったなあと感じたんですよ。

 本当はいろいろな方向の面白い人がいて、いろいろな人に刺さる記事があるのに、どんどん見つけにくくなっている気がする。なら、私は潜在的な需要に届くように、発見されやすいように、できる工夫はちゃんとやっていこうかなと。いや、そんな人がいるかわからないですけど(笑)。


―― 職人気質で終わらず、ブログに目立つ看板を立てるような営業もしっかりやるという感じですか?

安全ちゃん ブログというよりは、ひとつひとつの記事を目立たせる方向ですね。今、ブログで書いている内容だと週何回というペースでは更新できませんし、ブログ全体のアクセス数も気にしないですね。不定期でアップする単発記事のそれぞれをしっかり読んでもらえるようにしたいと考えています。

(次ページに続く)

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