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物欲AVコモノ道 第95回

REGZA Phone×REGZAブルーレイの融合

映像を見ながらコミュニケーションを楽しむ「RZタグラー」

2011年05月23日 12時00分更新

文● 川添貴生/インサイトイメージ

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タグを使ってコミュニケーションを図る「RZタグラー」

 RZタグラーの魅力のひとつであるタグリストの機能を詳しく見ていこう。たとえば、サッカーにおけるゴールシーンなど、録画した番組で見たいシーンを素早く頭出ししたいことがある。これを実現するのが「タグ」という機能。タグ自体は頭出し情報で、録画した番組を再生中に、タグボタンを押すだけで設定できる。

 このタグは番組ごとに「タグリスト」としてまとめて管理されているほか、タグごとにテキストでメモ(コメント)を割り当てられる。たとえば音楽番組であれば、お気に入りの歌手が歌っているシーンでタグを打ち、さらに分かりやすいようにタグに歌手名を割り当てるといったことができる。

 さらにお気に入りの歌手が出る場面を集めたタグリストを作ることも可能で、そのシーンがどんな場面かをメモで残せば、番組中にどんなシーンがあるかが、タグリストだけで一目で分かる。

 このタグは、リモコンアプリ上の「Myタグリスト」ボタンをタップすることでいつでも参照できる。さらに見たいシーンに割り当てたタグをタップすれば、即座にそのシーンの再生が始まるというわけだ。

 通常であれば、画面に表示されたメニューを操作して見たい番組を選んで再生し、さらに早送りして見たいシーンを探すといった作業を行なう必要があるが、タグを使えば一発で頭出しできる。

インターネット上にアップロードされている、再生中の映像に対するタグリストを取得する

インターネット上にアップロードされている、再生中の映像に対するタグリストを取得する

個々のユーザーは、それぞれ自分で作成したタグリストをアップロードできる。ここから面白そうなものを探して、どんなタグが割り当てられているのかを見るわけだ

個々のユーザーは、それぞれ自分で作成したタグリストをアップロードできる。ここから面白そうなものを探して、どんなタグが割り当てられているのかを見るわけだ

実際にタグリストをダウンロードして開いたところ。それぞれのタグに対するコメントと、タグが付けられた位置が表示されている

実際にタグリストをダウンロードして開いたところ。それぞれのタグに対するコメントと、タグが付けられた位置が表示されている

 ここまではREGZAブルーレイとスマートフォンの組み合わせで(いわばユーザー一人だけで)完結する機能だが、面白いのはここから。作成したタグリストは、インターネットを介して公開したり、別の誰かが作成したタグリストを読み込んだりできる。つまり、面白いと感じたシーンをタグによって共有することが可能になっている。

 これにより、たとえば自分は見逃していたけれど実は面白いシーンを公開されたタグから発見する、といったことを実現している。

タグを開くと、そのタグに対するほかのユーザーからのリタグが表示される。このリタグを通じてコミュニケーションするというわけだ

タグを開くと、そのタグに対するほかのユーザーからのリタグが表示される。このリタグを通じてコミュニケーションするというわけだ

実際にリタグを入力しているところ。慣れたキーボードで入力できるWindows版の登場が待ち遠しい

実際にリタグを入力しているところ。慣れたキーボードで入力できるWindows版の登場が待ち遠しい

 さらに、ここで意味を持ってくるのが、タグごとにメモを付加できることと、「リタグ」という仕組みである。

 リタグというのは、別の人が付けたタグにコメントする機能だ。たとえばサッカーのゴールシーンに付けられたタグに対し、「その前のスルーパスがよかった」などいったコメントを付け加えられる。さらに別の人がコメントを追記すれば、そのタグを軸にしたコミュニケーションに発展する、というわけである。

 同じ番組(動画)をみて感想を共有するという意味では、「ニコニコ動画」のコメント機能がイメージ的に近いかもしれない。タグを付けるタイミングと、タグに付けたコメント、およびリタグ(レスポンスのコメント)によって、感想が共有できるわけだ。

 インターフェイスは大きく異なるが、番組全体に対してコメントをするのではなく、特定のシーンに対してコメントを残すことや、同時に番組を見ていなくても同じシーンに対する感想を非同期で共有できるといった点は同じ。見ているテレビ番組や映像に対してコメントし、それを共有するというのはやはり面白い。

 ただ、コメントするまでの手数が多く、若干面倒に感じてしまう。具体的には、まずコメントしたいシーンでタグボタンを押し、続けて「作成中タグリスト」ボタンをタップ、表示されたリストの中から今割り当てたタグにある矢印をタップして、ようやくコメントを入力できる。タグボタンとは別にコメントボタンを用意し、それを押すとすぐにコメントを入力できるなど、気軽に入力できる仕組みが欲しくなった。

多くのユーザーが参加して盛り上がるかどうかが鍵

 よくよく考えてみると、確かにスマートフォンはリモコン向きの特徴を備えている。自宅の中でも手元に置くことが多く、しかもスリープ状態からの復帰も早いため、使いたいときにすぐに使うことができる。タッチパネルなので直感的な操作も可能である。

 さらにスマートフォンがリモコンよりも優れている点として、画面の内容を書き換えることでさまざまな機能を分かりやすく見せられることが挙げられるだろう。たとえば動作モードによって表示するキーを変更するなど、表示する内容の動的な制御が可能なわけだ。

 赤外線を使ったリモコンのように、向きや位置を気にせずに使えることも利点。奥まった位置にレコーダーを収納して使っている場合など、リモコンを使えるポイントが限定されてしまうケースがあるが、スマートフォンなら無線LANの電波さえ届いていればコントロールできる。

 加えてRZタグラーは、録画した番組に対し、タグを介してコメントを共有できるという仕組みはなかなか興味深い。ただ、現状ではREGZAブルーレイユーザー間でのコメントの共有となるため、どこまで盛り上がるのかは未知数である。

 多くのユーザーが参加し、気軽に感想を共有できるようになれば、新たなテレビの楽しみ方として魅力的なプラットフォームになりそうだ。


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