5月11日、NTTデータ、NTTデータ先端技術、NTTデータカスタマサービスの3社は、自社開発の「PRORIZE(プロライズ) DCサーバ」を用いたシステム構築・運用を9月から開始すると発表した。ソフトウェアだけではなく、ハードウェアまで含めたトータルの長期保守を求めるユーザーの声に応えた施策になる。
PRORIZE DCサーバは1Uに2ノードを格納できる2ソケットのモジュール型サーバーで、42Uラックに最大84ノードが搭載できるという。ネットワークは冗長化対応で、障害通知機能を持っている。
最大の特徴は電力効率の高い直流給電方式に対応すること。従来のサーバーは交流で受けた電力を直流に変換し、マザーボードに給電していた。また、データセンターのUPSにおいても、この直流と交流の変換を行なっていたため、電力効率を落とす原因となっていた。これに対してPRORIZE DCサーバでは、サーバー搭載の電源ユニットではなく、NTTデータ先端研究所が開発した「DC12V SERVER RACK SYSTEM」で高電圧直流電流を受電。安全な電圧まで下げることで、サーバーで直流給電を利用できる。これによりシステム全体の電力効率は10%以上改善するという。なお、オプションの共用電源ユニットにより、従来の交流給電にも対応する。
システム構築においてはオープンソースソフトウエア (OSS) を採用するとともに、PRORIZE DCサーバでシステム基盤を仮想化させてクラウドとして提供する。NTTデータカスタマサービスと共同企画による保守体制のデザインにより、10年の長期保守を実現した。
電力総量規制対策として7月から試行導入を行ない、その後9月の本格展開を目指すという。