LibreOfficeとOpenOffice.org、中身は違うの?
あわしろいくや:あともうひとつ、タイムラインリリースには特殊なメリットがありまして。
編集S:ほほう。
あわしろいくや:積極的に開発に関わってる組織の方が、サポート上有利になるんですな。成果物だけではビジネスができない。
ミズノ:あー、「でき上がったもの」にいろんな不具合が含まれる可能性があるから、積極的に関わって「自分たちにとって困るもの」を始末していく方がコストが低くなる、と。
あわしろいくや:ですな。
hito:この業界、「金か汗か涙のどれかで支払う」という仕組みがどうしてもありますからねー。使ってるだけ、で済ませる場合も含めて。
やまね:むしろ世の中全般の真理かも。
さかもっちー:汗流せばお金払わなくてもいい、というのはいいこと?
瀬尾浩史:選択肢があるのは良いこと、のような気がするペン。
編集S:金っていうのは「プロプライエタリなソフトウェア使う」ことで、汗が「自分で苦労したり、バグ報告しながらオープンソースソフトウェア使う」こと、と。涙は?
hito:手ひどいバグを踏んづけたり、みんなに見放されて会社潰れたり。あとは海賊版のプロプライエタリなソフトウェア使って摘発されたりとか。
編集S:なるほど、涙で支払ってる感じだ。
あわしろいくや:「手を動かせるようになるのが一番コストが低くなる」という意味では、非常に期待できますな。最終的にみんなが幸せになれる方向としては。もちろん、「手を動かせなくてもそれなりに使える」という側面も残しながら、なんですけど。
小林:バランスは重要ですね。
編集S:開発主体とか、リリース方針に差があることはなんとなく分かった。中身って違うので?
あわしろいくや:Ubuntuユーザーにとっては、今のところそれほど違わないですな。なにしろ、今までと同じなので。
さかもっちー:「Ubuntuユーザーにとっては?」
あわしろいくや:Windowsユーザーにとっては、今の時点でもちょっと使い勝手が違いますな。でも、Ubuntuユーザーにとってはそれほど大きな違いではないです。
編集S:むむ?
あわしろいくや:LibreOfficeはOpenOffice.orgからの派生ではありますが、厳密に言うと、素のOpenOffice.orgともまたちょっと違うものから派生してるんですな。
やまね:Novellパッチか……。
瀬尾浩史:どういうことペン?
あわしろいくや:LibreOfficeのコードベース=Novellカスタム版OpenOffice.orgビルド=これまでUbuntuに入ってたやつ、ということですな。
ミズノ:あー、NovellはOpenOffice.orgを拡張するパッチを作ってて、各ディストリビュータではそれを「OpenOffice.org」として使ってる、という話がありましたねー。
あわしろいくや:Red Hat以外はそうですねー。なので、Ubuntu使ってる人は「これまで使っていたのと同じものを、ちょっと変更したもの」が入っているわけです。ところがWindows環境ではたいてい普通のOpenOffice.orgを使っているはずなので、その分が大きな違いになるんですな。
小林:な、なんだってー。
瀬尾浩史:○バヤシさん、それあなたのセリフじゃないペン。
さかもっちー:「コバヤシ」であっても「○バヤシ」にするだけで途端にアヤシゲなオーラが……。さかもっちーおぼえた。
やまね:なにか着々と進歩しようとしている人が……。
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