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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第56回

ライブ年間25回、使う楽器は「ニンテンドーDS」?!

2011年05月07日 12時00分更新

文● 四本淑三

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ごく普通のファンクフリークです

―― ところでサイモンガーさんは何者なんですか?

サイモンガー どこにでもいるごく普通の会社員です。

「ごく普通の会社員です」

―― しかし察するに、音楽的な趣味は相当に濃いように思えます。やっぱりファンクは相当に聴き込んでますよね。

サイモンガー 最近の音楽ファンがうらやましいですよね。「へえ。キミ、このアルバム800円で買ったの。僕なんかその10倍出して聴いたもんね、ジャケットのスミを切ってあるヤツをね!」って思いますから。

―― カット盤でもそんなにしたんですか!

カット盤 : 輸入LP盤でよく見られた投げ売り在庫放出品のこと。メーカーがジャケットにわざと穴を開け、通常流通品より価値を落として市場に流していた。

サイモンガー そうですよ。ちょうど、僕が聴き漁っていた1990年代の始めは、DJが流行ったりして、アナログレコードがブームになっていて、ファンクのマニアックな盤もそれなりの値段がしたんですよ。一番高い頃に買ったと思います。

―― それはご愁傷さまでした。音楽的なルーツはどの辺りですか?

Image from Amazon.co.jp
P-Funk Earth Tour

サイモンガー もっとたどると、YMOがシンセをいじるきっかけでした。そこにプリンスが現われ、スライ、JB(ジェームス・ブラウン)、P-FUNKという道筋で。

―― 1980年代の音楽体験としては、ある意味王道ですね。

サイモンガー でもファンクバンドを始めるまで、ずっと打ち込みをやっていたんですよ。最初は「PORTA ONE」を使って、リズムマシンを入れて手弾きという。本格的に打ち込みを始めたのは、カワイの「Q-80」というシーケンサーを買って音源を揃えてからですけど。

PORTA ONE : 1984年に発売されたTEAC TASCAMの4トラックMTR(マルチトラックレコーダー)。メディアはカセットテープで片面走行で使用した。現在はiPadアプリとしてリバイバルしている。

―― それは意外です。最初からフィジカルな人だと思っていました。

サイモンガー ファンクも好き、YMOも好きというところで、その2つをつなぐものが今までずっとなかったんです。そこにKORG DS-10が出てきた。ファンクのような勇ましい音楽をやろうというとき、そのバックトラックがゲーム機なのは面白いんじゃないかと。それでウェブにアップしたら、そこそこ評判が。

(次ページに続く)

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