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テレビ録画と画質が並び立つ日立「Wooo L42-XP07」レビュー

2011年05月24日 11時00分更新

文● 折原一也 撮影●篠原孝志(パシャ) イラスト●shigezoh

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IPSクリアLEDパネル+Picture Master 3で作られる
色鮮やかな映像に筆者も納得!

 Wooo「XP07シリーズ」は、液晶モデルでは42V/37V/32V型の計3モデルを用意する。新開発となったLED液晶パネルは「IPSクリアLEDパネル」と呼ばれるもので、光沢処理を施した表面と相まって非常に高コントラストの映像を特長としている。新映像エンジンは「Picture Master 3」と名付けられており、コントラスト、カラーマネージメント系を処理する。

 今回はその液晶モデルの「L42-XP07」で画質チェックを試みた。

 画質をチェックしたスタジオは蛍光灯の照明がやや強い環境だったが、映像モードの「スタンダード」は、その蛍光灯照明に負けない力強い色合いと鮮明な色表現だ。店頭モードのようなキツい色とも違った良さがある。明るい環境下でも照明に負けない豊かな色を出しており、色彩の艶やかさと透明感を両立するように画質をチューニングしている。

 地デジを見ていると違和感を覚えるのが、HD画質のニュース番組中に、小窓でSD画質のスポーツ中継を流すようなシチュエーションだ。きれいな画面の片隅に、妙に荒れた画像がはめ込まれているように見えるので、どうしても気になって集中力が削がれてしまう。その点「XP07シリーズ」は、超解像技術「Pixel Manager」による日立独自の高精細化技術によって、SD部分を画質向上してくれるので、上記のような場面でも違和感を感じさせない。

 何よりも、こうした良好な画質が、自動調整によって手間なく引き出せることこそ、リビングに置くテレビとして高い完成度を備えている証拠と言えるだろう。

高画質画像処理技術「Picture Master 3」搭載で
色彩表現力とノイズ低減が進化

 「Picture Master 3」には新たに3つの新技術が投入されている。1つ目の「アドバンスドダイナミックコントラスト2」は従来比2倍の精度でヒストグラムを検出して階調の滑らかさを向上させるもので、映画のような難しいソースでの暗部再現性に有効に働く。

「XP07シリーズ」に搭載された「アドバンスドダイナミックコントラスト2」ではヒストグラム検出精度が前モデルの2倍となったことで、よりきめ細やかな表現が可能になり、グラデーションと暗部コントラストを美しく再現させる。※映像比較(日立既存機種比)は効果を説明するためのイメージです

 次に「3次元デジタルカラーマネージメント2」は色再現性を豊かにするもので、カスタマイズ機能として特定4色に対して彩度、明度、色相補正をかけられる。3つ目の「アドバンスド3次元ノイズリダクション」は、動いてる部分と静止している部分のそれぞれに対してノイズリダクションが働くため、特にノイズの多い地上デジタル放送に有効に働くものだ。

色彩表現の向上を図るアップデートされた「3次元デジタルカラーマネージメント2」では6色に特定4色の彩度・明度・色相補正機能を追加。色情報を分析・再現する。※映像比較(日立既存機種比)は効果を説明するためのイメージです

漆黒の再現性はBD映画で一目瞭然
映像モード「リビングシアター」で見せつけた

 薄型テレビの性能を調べる上では、黒の表現力にも注目したいものだ。そこで、テレビ放送より難易度の高いBD映画『NINE』を、まずは映像モードを「リビングシアター」の設定で視聴してみた。

 すると「L42-XP07」は色温度をしっかりと落とし、映像の黒をより漆黒の表現として作り上げる。リビングの環境下で仮に外光が差し込んだ場合でも、黒を黒らしく出しつつ、中間の階調は色温度を下げ、映画らしい暖かみある色を引き出すのがWooo流のリビングシアターというところだろう。

 また、映像設定からはLEDバックライトの制御が可能だ。リモコンからユーザーが好みに応じて「LEDバックライト制御」のオン/オフを選択できるのだが、明るい環境下で映画を視聴する際にはこの「LEDバックライト制御」をオンにしてみても面白い。液晶テレビの高画質テクノロジーの動向に詳しい読者には“バックライトのエリア制御”と説明すればすぐにわかるこの機能は、一般的には映画のような明暗差の大きい画面でより黒を引き締める手段として用いられる。

 しかし、「L42-XP07」では明るい照明下の映像モード「リビングシアター」でオンにしてみると、最大輝度を引き上げる形で画面のコントラストを付ける。映像の立体感を作るように作用し、映像に良い変化をもたらしてくれる。

蛍光灯がキツいリビングと、照明を落とした暗室。どちらのシチュエーションにも対応する「L42-XP07」の画質自動調整機能「インテリジェント・オート高画質3」は、筆者も思わず笑みを浮かべる完成度

バックライトのエリアコントロールで
高コントラストの映像が実現

 本番となる暗室での映画の画質チェックは、先ほどと同じ『NINE』のチャプター2でしっかりと映像を見た。

 このチャプター2は真っ暗闇のなかから光が差し、さらに文字も浮かび上がるという薄型テレビのエンジニア泣かせの場面として筆者が画質チェックに使っているものだが、「L42-XP07」の漆黒の沈み方は実に深みがあって良い。

 特に「LEDバックライト制御」をオンにしても、黒をより黒く沈められることに画質チューニングのマジメさを感じた。

 Woooのラインナップのなかでは、昨年発売の「ZP05シリーズ」がS-LEDバックライトを搭載しており、暗部再現としては最上位という位置付けになっているが、漆黒の再現性については「L42-XP07」もなかなか負けていない。光沢パネルも暗室ではより映像を引き締める効果があるので、精細感もしっかりと出ている。

「エリアコントロール」技術の採用によって漆黒の表現力が向上した。※図はイメージです

残像感を減少させる「バックライトスキャニング」で
動画解像度を向上

 「L42-XP07」に採用されている新型のIPSクリアLEDパネルは、左右エッジライト方式となったことで画面の分割スキャニングが可能となり、おそらくは8分割程度(編集部推測)で黒を挿入することで動画の切れ味も向上させている。

 この「バックライトスキャニング」は液晶に発生する残像を原理的に隠すもので、動きの激しいスポーツだけでなく、どんな番組にも効果がある。たとえば、テレビ番組のロケ映像でカメラを上下や左右にパンする動きもよりクッキリと見える。

バックライトを帯状に点滅させて黒を表示させることで残像感を軽減させる「バックライトスキャニング」を実装。※図はイメージです


XP07シリーズでは「ダイナミック・ブラックパネル」
採用のプラズマモデルも魅力的だ

映画鑑賞主体ならば、プラズマの選択肢も。写真はプラズマモデルの「P50-XP07」

 「XP07シリーズ」にはプラズマパネル採用のモデルもあるので(ラインナップは50V/46V/42V型の3モデル)、併せて画質をチェックしてみた。

 「XP07シリーズ」のプラズマ機はパネルに「ダイナミック・ブラックパネル」を搭載しており、同様に黒の再現性をアピールしている。

 実際の映像をチェックしてみると同じ「XP07シリーズ」の液晶と比較しても映像の鋭さとも呼ぶべき輝きを押さえている一方で、映画に該当するような色温度の低い(要するに、映画館の光源と同じく黄色がかった)映像のトーンはよりよく再現する。

 映画をじっくり鑑賞するならプラズマ、という売り文句はほぼそのままに受け止めてもよさそうだ。

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