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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第55回

1600人動員、収益ゼロの「成功」――ネットが変えるライブ産業

2011年04月30日 12時00分更新

文● 四本淑三

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ドキ生ができるまで

―― ところで、にいとPは、もともと何屋さんなんですか?

にいとP 僕はどこにでもいるごく普通のプログラマーです。

「どこにでもいるプログラマー」が主催者という

―― じゃあイベントのプロではない?

にいとP 今まで手探りでやってきましたね。

―― でもボカロPですよね? なんでライブイベントを主催するようになったんですか?

にいとP ニコニコ関係初のユーザーイベントで「Nico Nico Summer live(笑)2008」というのがあって、それを客として観に行ったんです。すごくいいイベントだったんですが、ボカロPはデPくらいしか出ていなかった。だからボカロPでこういうイベントをやりたいなと。で、このイベントのコアスタッフだったのが、こないだデPフェスの裏方を仕切っていた、いぶし銀次という男だったんです。

※ 2008年8月23日に東京のディファ有明で行なわれた、「歌ってみた」「演奏してみた」系の人たちによるライブ。デPバンドのギタリスト[TEST]さんも出演している

―― おお、話がつながっていきますね。

にいとP その後に東方の「Flowering Night」という対バンイベントをニコニコ動画で観たんです。川崎のチッタだったんですけど、普通の対バンのイメージと違って、観客が全バンドで盛り上がっていて、アウェイ感がひとつもない。これはすげえ、と。その後にゃっぽん(SNS)で「100人オフ」というのがボーマス(イベント)後の飲み会として企画されていたんです。



―― それ、伝説のオフ会ですね。

にいとP 実際には150人くらい来たんですけどね。その時、私の隣にいた、あわあわP(ボカロP)に「Flowering NightみたいなイベントをボカロPでやりたい、一緒にライブやろうよ」って口説いたんです。そしてさっきのいぶし銀次と、「100人オフ」を主催した、ひょーりんをコアスタッフに迎えて始めたんです。

―― そのライブに自分で出る気はなかったんですか?

にいとP いや、もちろん自分で出たいがためにやったんですよ。あわあわPやティッシュ姫(B)、ハバネロ炒飯(Dr)、コドモゴコロ(G)とバンドを組んで。 だけど、さすがに300人規模のライブだと、主催も出演もやるのは無理だなと。それで裏方に専念してレベルアップを目指していたら、もう自分の出られるイベントじゃなくなっていた。それで「ドキ生Debut」で2年ぶりにハバネロ炒飯と一緒に出るんです。

(次ページに続く)

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