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KDDI「手のひらAR」はARの限界を突破するか?

2011年05月07日 12時00分更新

文● 近江 忠

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夢がひろがる手のひらAR


―― スマートフォンのCPUの速度って今は800MHz~1GHzだと思うんですけど、どれくらいあれば、手のひらARの「夢」をかなえられるんですか?

加藤 まあ今の方法であれば今あるどの端末でも動くと思います。一方で、研究レベルではPCでもっとすごいことをやっている、重いアルゴリズムで作っているのもあります。ハードウェアベースで、「こんなことはできるけどPCでもまだ遅い!」というのがある。それを埋めていくことになるのかなと。


―― これが最初の一歩ということですね。私ね、デモの動画を見ていて表示されるキャラクターが手を動かすとリアルタイムでヨロヨロしている様子を見たとき、「ウワッ、すごいじゃん!」とか思っていたんです。端末同士を通信させて、対戦ゲームを作ったりできたらとか、夢も膨らみますよね。

加藤 やりたいですね! むしろ一人じゃなくて二人がお互いに手を出して、お互いに自分が育てたキャラクターがバトルする。女の子向けならファッションショーでもいいですけど。そういうのもアリだな、やりたいよなと。手のひらARをインターフェースとして、インタラクティブに操作するということが大事だと思っているんです。たとえばアイコンを立体的に並べて選択するとき、手のひらを傾けた量に応じてスピードを変えてコロコロ転がしたりというのも考えています。


―― これすごいですね! 「マイノリティリポート」みたいな(笑)。

加藤 ありがとうございます。ただこれ、朝から晩まで実際に使ってみるとツラいんですよ。まだインターフェースとしては実用的にどうなの、というところがあって……。


―― でも格好良いですよ! これ、ゲームならいいですよ。「ぐわし」とかできなくても練習したじゃないですか(笑)!

加藤 そうですね、これは指を動かさずに手首をくりくり動かすくらいのものなので、ラクにはラクなんですよ。これくらいなら誰でもできるかなと。


―― そう考えると、どんどん使い方が広がっていきそうですね。

加藤 いろいろな使い方があると思います。そう、別の使い方として、手のひらの上に乗っけるだけにとどまらず、もっと広く情報を出せないのかなというのもあったんです。机の上に手のひらを置いて、「手のひらの姿勢と机の姿勢はほぼ一緒だろうな」として認識した結果を机の上に反映したものなんです。PCのディスプレイやいろんな本がありますが、机のカドを認識して、ちゃんと机がどこからどこまであるというのを認識し、手でちょっかい出したりしてキャラクターを操作することもできる。でかいスライムに小さいスライムをぶつけようという、こういうのもゲームとしてアリかなと思うんですね。やっぱり見るだけじゃなくて、傾けるでもいいと思うんですけど、触りたくなるというのが重要だと思うんです。


―― これ、ゴキブリがワーッと出てきて、それをつぶすゲームとかできそうじゃないですかっ! あと、これはやっぱりカメラ側を固定しなきゃダメなんですか?

加藤 ゴキブリだと逃げ出したくなると思いますけど(笑)。いまカメラは固定をしています。もちろんこれはスマートフォンでと考えているので、動いても大丈夫なように対応しようと思っています。手を置きっぱなしにしなきゃいけないのかどうなのか、今まさに考え中で。手の中だけにこだわらず、もっと広げていきたいですね。


―― 昔のゲームセンターのモグラたたきみたいなものがバーチャルに再現できるっていうのがいいですよね。ウチの娘とか絶対よろこぶよな。「アッーーーーー!」とか言いながら、バチバチ机を叩くと思うし。

加藤 これは平面ですが立体にもできると思うんです。ヨコじゃなくてタテにすることも考えて、手をかざしたところにCGをポコンと出すということもあるのかなと。


―― 手をこうかざすと、顔もこうグニグニッと動くとか?

加藤 そうですね。肩を抱き寄せるとか。


―― なるほど。手の上だけじゃなくて、手を軸にして、タテでもできるし、というような? データサイズってどのくらいあるんですか? けっこう処理は重くなるんじゃないですか。

加藤 プログラムそのものは本当に小さいものなんですが、モデルそのものが重いんです。高性能な端末には高精細なモデルデータがありますが、非力な端末には非力な――ニンテンドー3DS用の小さなローポリゴンくらいしか再現できない。

(次ページに続く)

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