細かい積み重ねがThinkPadブランドを支えている
ThinkPadと言うと、多くの読者は「堅牢性」や「信頼性」、あるいは「打ちやすいキーボード」などハード面での優位性に頭がいくと思う。しかし、一度ThinkPadを使ったユーザーが買い替えの際にもまたThinkPadを選ぶ、他社製品に浮気した場合でもまた戻ってくる理由は、単に優れたハードだからだけではなく、システム全体のバランスの良さだ。
「こうあってほしい機能がそこにある」とでも表現したらいいだろうか。標準で搭載されているソフトひとつとっても、開発者のこだわりがある。今回はピークシフト中心の取材だったが、その機能が収められた「省電力マネージャー」は、そんなThinkPadのこだわりが凝縮された奥の深い使いこなしが可能なソフトと言える。
ThinkPadファンは、3年、4年と長期に渡って使っていく中で、こうしたThinkPadだからできた体験というのを何度も経験している。このThinkPadを良く使えたという経験が、次もまたThinkPadをという思いにつながるのだ。
ThinkPad Tシリーズの場合、定格90WのACアダプターが付属するが、仮に1/3程度の電力を消費するなら1台あたり30~40W。これだけ見れば微々たる数字だが、これが100台になれば3~4kW、1000台なら30~40kWとバカにならない数字になる。日本では災害による電力不足という特例的な状況に置かれているが、他国(例えば、ヨーロッパなど電気料金が高額な地域)でもメリットがあるだろう。
ThinkPadを選ぶなら、こういったソフトウェアにもぜひ注目したいところだ。