4月26日、データウェアハウス(DWH)アプライアンスベンダーの日本ネティーザは、IBM傘下に入ってはじめてとなるビジネスアップデートを行なった。発表会では、日本IBM Information Management事業部長も参加し、IBM入りを歓迎した。
パートナー戦略は継続
IBMが新しいパートナーへ
発表会に登壇した代表取締役の法華津誠氏は、ネティーザのビジネスについて振り返り、IBMによる買収後のアップデートを行なった。
ネティーザはデータウェアハウスをDWHアプライアンスをいち早く投入したベンチャーとして知られている。「ハードウェアとソフトウェアの壁を取り去って、なんとかよいDWHを提供できないか?と考えて製品を展開してきた」(法華津氏)ということで、NPS(Netezza Performance Server)やTwinFinなどのDWHに最適化されたアプライアンスを提供し、導入の容易さ、高速化を追求してきた。
2010年の9月にIBMがネティーザの買収を発表し、昨年11月に買収が完了した。現状、日本ネティーザは、IBMのソフトウェア事業部のインフォメーション・マネジメント事業部内にそのまま統合され、現状のビジネスを維持していくという。「意外でしたが、顧客からはIBMに買収されてよかったねと声をかけられた。製品は負けてないが、会社の規模だけ見れば、オラクルやテラデータに引けをとっていたのが正直なところ。顧客なりに(会社の規模が小さいことを)気にしていてくれたのだろうと思う」ということで、IBMによる買収により、ビジネス面での限界が払拭されたという見方を語った。
買収後のパートナー戦略には当面大きな変更はなく、「今までの4つの代理店にプラスして、IBMという強力なパートナーが加わって、ビジネスを進めていく」(法華津氏)とのこと。OEMパートナーであるNECとの関係も継続して強化していくという。また、今までは製品にのみ注力してきたが、コンサルティングを進めるプロフェッショナルサービスも立ち上げる。
非常に強い武器を得たと実感するIBM
日本IBM Information Management事業部長 俵雄一氏は、「年始から営業で回っていて非常に強い武器を得たという点を体感している」と統合の効果をアピールしている。Information Management事業部の戦略に従い、営業体制の統合やセキュリティ製品「Guardium」との連携などを進めていくという。
製品のポジショニングとしては、1秒あたりクエリ数が100以下のシステムとしてネティーザ製品を投入し、100以上のクエリやOLTPのような細かいトランザクションデータを扱う場合は「IBM Smart Analystic System」、既存のハードウェアを有効活用し、カスタムメイドを最優先する製品は「IBM InfoSphere Warehouse」を展開するという。
以前はネティーザのみだったDWHアプライアンスの市場も、大手の参入が相次ぎ、競合も増えている。これに対して法華津氏は「導入も運用も簡単な本当の意味での『アプライアンス』であることが重要」と述べ、Oracle Exadataが予想以上に処理に時間がかかり、導入プロセスが複雑であるというメッセージの米ネティーザ制作のビデオを披露した。
初出時、「Guardium」の製品名が誤って表記されておりました。お詫びし、訂正させていただきます。本文は訂正済みです。(2011年5月9日)