アクセス解析を実施することで、Webサイトの改善につなげられます。アクセスログデータを制作会社側で取得できる場合は、データをもとにしたWebサイトの改善策をクライアントに提案できないか検討しましょう。
改善提案は、ユーザー分析による改善、参照元分析、コンテンツ改善の3ステップで実施していきます。
ユーザー分析による改善
ユーザー分析とは、Webサイトを訪れたユーザーがサイト内でどのように行動しているか、どんな傾向があるのかを把握し、分析することです。
たとえば、ECサイトで初めて訪れるユーザー(新規訪問者)とリピーターの購買率(コンバージョン率)を比較するとします。ユーザー分析で新規訪問者のコンバージョン率が低いことが分かれば、初心者向けの購入ガイドを充実させる、初回購入者向けのキャンペーンを展開するといった施策が検討できます。
参照元分析による改善
参照元分析とは、Webサイトを訪れたユーザーがどのサイトから流入してきたかを把握、分析することです。
たとえば、参照元が個人のブログやQ&Aサイトの書き込みだった場合、自社のサイトや製品がどのように言及、紹介されているのかを確認することで、ユーザーの反応をWebプロモーションや商品開発に反映できます。あるいは参照元が検索エンジンであれば、ユーザーが検索しているキーワードとWebサイトのコンテンツがマッチしているかを調べたり、ユーザーが求めているコンテンツをキーワードから推測したりできるでしょう。もしマッチしていない場合は、SEO(検索エンジン最適化)で強化すべきキーワードを検討したり、逆にサイト内のコンテンツを見直したりといった施策につなげます。
コンテンツ改善
3つめは、アクセス解析の結果をもとにしたWebコンテンツの改善です。
たとえば、直帰率(サイトのある1ページだけを見てすぐに離れるユーザーの割合)が高いページであれば、検索キーワードや参照元の内容と合致するようコンテンツを見直します。また、離脱率が高いページ(ユーザーが回遊をやめて他のサイトに移ってしまったページ)を突き止めて、ナビゲーションメニューやボタンの配置などユーザビリティを改善することも考えられます。
こうした3ステップから成る改善活動を含むPDCAサイクルを一定期間で回すことができれば、クライアントのWebサイトの成果をアップさせて、制作会社として信頼を勝ち取れるでしょう。
著者:株式会社 環
Web解析を軸に2000年創業。「誰もがチャンスをつかめる社会を創る」を理念に地方中小企業に対しアクセス解析ツール「シビラ」とWeb解析コンサルティング、Webサイトの改善やリスティングの最適化を提案している。楽天ビジネスアワードを4回受賞。JWDAウェブ解析&リサーチ委員会委員長。最近は「JWDAウェブ解析士」の運営支援も行なっている。現在Web解析に関心がある人材を募集中!