アクセス解析とは、Webサーバーに記録されるアクセスログデータからWebサイトの傾向やユーザーの行動を分析する、効果測定の方法の1つです。Webサイトを訪れるユーザーが「いつ」「どこから」「どのページに」アクセスし、サイト内でどう行動したのかを把握することで、Webサイトやマーケティング施策の改善につなげられます。
Webサイトの運営や各種マーケティング施策にROI(投資収益率)が強く求められるようになったことから、近年、アクセス解析の重要性がますます高まっています。
アクセス解析の実施方法
アクセス解析を効果的に実施するには、ログデータを見やすく加工し、レポートにまとめる「アクセス解析ツール」の利用が一般的です。アクセス解析ツールには、ログデータの収集方法によって、サーバーインストール型、パケットキャプチャ型、Webビーコン型などの種類があります。それぞれ長所・短所、向き・不向きがあるので、よく検討して選定しましょう。
アクセス解析の実施にあたっては、まず、KPI(業務評価指標)とコンバージョン(ECサイトの購入完了や企業サイトの資料請求など)を定義します。WebサイトのKPIには、ページビュー(PV)やユニークユーザー(UU)、コンバージョン率(CVR)、などがあり、Webサイトで目指すビジネスゴールから適切な指標を選定します。
次に、アクセス解析を実施するサイクルをサイトの目的や特性に応じて決定します。たとえば日々の売上に応じた施策が求められるECサイトであれば「毎日」、一般的な企業サイトであれば「週ごと」といった具合に判断します。また、サイトのリニューアルや販促手法を変更したときは、普段のサイクルとは別に、施策前後のデータを比較して効果を検討します。
普段のアクセス解析では、KPIを中心とする各指標の全体的な傾向や、指標間の連動を見ることで全体の傾向を把握します。検索キーワードや参照元サイト別の変化や、一般ユーザーとコンバージョンユーザーとの違いなどもWebサイトの改善を考えるヒントになります。
アクセス解析の確認後の作業
解析データの分析からサイトやマーケティング施策の問題点が分かったら、改善策の検討・実施に移ります。改善策の実施後には再びアクセス解析で施策の効果を検証しましょう。アクセス解析では、このように計画→実行→評価→改善のPDCAサイクルを継続することが非常に重要です。
アクセス解析のサイクルを回すことでWebサイトをよりよく改善でき、新たなビジネスの発見にもつながっていきます。解析結果をただ眺めるのでなく、サイト運営やマーケティング施策に活用できるよう考えていくことが大切です。
著者:株式会社 環
Web解析を軸に2000年創業。「誰もがチャンスをつかめる社会を創る」を理念に地方中小企業に対しアクセス解析ツール「シビラ」とWeb解析コンサルティング、Webサイトの改善やリスティングの最適化を提案している。楽天ビジネスアワードを4回受賞。JWDAウェブ解析&リサーチ委員会委員長。最近は「JWDAウェブ解析士」の運営支援も行なっている。現在Web解析に関心がある人材を募集中!