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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第54回

ニコ動に住むドラムの天才、その名は「ショボン」

2011年04月23日 12時00分更新

文● 四本淑三

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ドラマーは体力勝負なので

―― そこをひとつ教えてください。

ショボン いま25歳で、20歳でヤマハ音楽院を卒業しています。朝だけバイトをして、その他はバンドのレコーディングとかライブとか、あとドラムの先生もしています。

―― ドラマーで上手い人は少ないから、引く手あまたなんじゃないですか?

ショボン うーん、どうでしょう。本当はもっと忙しくなりたい。毎日演奏していたいです。でも自分は恵まれている方だと思いますね。レコーディングでも使ってくれて、ステージに呼んでくれる人もいるし。この年齢にしてはいい方なのかもしれません。

―― それはニコニコ動画のおかげであるとか?

ショボン それもありますね。仕事の半分はニコ動(がきっかけ)です。

―― ニコニコに最初に投稿したのはなんですか?

ショボン 自分のいたロックバンドが解散することになって、メンバーだったカメラマンとギタリスト、そして歌手の4人で何かできないかと。自分はジャンベとカホンを叩いたんですが、あんまり、というか全然人気なかったんですね。その時にかぶっていた「(´・ω・`)」っぽいお面を見て、コメントに「ショボン」とあったので、この名前です。そして大阪でやったニコニコ関係のライブに出て、その時に友だちができて、いろいろ誘われて今に至るという感じです。



―― デPとはどうして知り合いになったんですか?

ショボン ニコニコとは関係ないライブで、対バンだったんです。デPの名前は知っていましたし、僕もショボンだからというので仲良くなって。今では一緒にラケットボールをやっていますよ。スカッシュと同じコートで、スーパーボールの球(中空のゴムボール)を使ってやるんですけど。上手い人だと時速300kmくらいのスピードが出るんですよね。

―― しぇーっ、反射神経が要りそうですね。それをあのデPが?

ショボン もっと健康的になりたいというので、本気で指導しています。

―― そういえば、デPバンドでドキ生(ライブ)に出演したときに、ショボンさんが川崎から吉祥寺まで自転車で来て、リハをやってジムに行き、本番が終わって自転車で帰っていったという伝説があるんですけど、本当ですか?

ショボン あの日はやりすぎだったなと思います。会場から3駅くらい離れたところに、普段通っているジムの提携店があったので、水着を持って行って、1時間くらい泳いだんです。

※ 川崎から吉祥寺までは片道約20km。直線距離では大したことないが、起伏や迂回の多い都市部の道路事情を考えると、結構な道のり。

―― ドラマーに欠かせないものとはいえ、恐ろしい体力だと思うんですけど。

ショボン 実は高2の時に体重が120kgくらいあって、医者に死ぬぞと言われたし、親にも東京に行かせられないと言われたので、頑張って95kgまで落としたんです。家から高校まで、自転車で片道3時間くらいだったんですが、それを往復して。

―― 自転車で3時間!?

ショボン 東京でジムに通い始めて、ラケットボールにハマったんですね。1年で75kgまで減ったんですけど、全国新人戦というのがあって、誘われて出たら優勝しちゃったんです。それで喜んで親に電話したら、「お前は何しに東京に行ってるんだ」と言われ。

―― そりゃそうですね。

ショボン で、「はっ、そういえば!」と我に返ったのが21歳くらいの時です。それで[MINT]を始めてツアーでまた太るんですよ。[TEST]が自分と同じくらい食うんです。朝はラーメン大盛り、昼は寿司とケーキとか。それで今度はクロスバイクを買って徐々に落としているんですけど。いま88kgくらいですね。

(次ページに続く)

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