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週刊 PC&周辺機器レビュー 第99回

光る半透明ボディーが目立つ 新生VAIO Cの実力は?

2011年04月22日 12時00分更新

文● 池田圭一

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 そのほか、使い勝手では液晶ディスプレーのバックライト輝度を自動調整する機能や、バッテリーそのものの寿命を延ばす「いたわり充電」機能などがある。

キーボードインジケーターの横にある環境光センサー。そこを指で覆うと、バックライトの輝度も自動的に暗くなる

フル充電せず80%か50%に留めて、バッテリーそのものの寿命を延ばす「いたわり充電モード」

価格の割にパフォーマンスは良好

 試用機の構成は、CPUにCore i3-2310M(2.10GHz)、メモリー2GB、320GB HDD(5400rpm)、DVDスーパーマルチドライブ、1366×768ドットディスプレーなどで、最小構成のものである。Windowsエクスペリエンスインデックスは「5.3」(グラフィックス)、最高がCPUの「6.4」である。

Windowsエクスペリエンスインデックスの値

 総合ベンチマークプログラム「PCMark Vantage」によるベンチマークテストの結果は、トータルが「4695」。Sandy Bridge搭載機としては物足りない感じがするのだが、スペック構成と価格帯を考えれば、コストパフォーマンスは十分に高いと言える。

PCMark Vantage 32bitのスコア
PCMark Memories TV and Movies Gaming
4695 3302 3378 3684
Music Communications Productivity HDD
4036 4187 3760 3088

 ご承知のとおり、VAIO Cが採用するCPUの第2世代Coreプロセッサーは、グラフィックス機能「Intel HD Graphics 3000」(以下HD 3000)を内蔵している。このHD 3000は、インテルの内蔵グラフィックスとしてはなかなか高性能だ。それに比べると、VAIO C内蔵のGPUであるRadeon HD 6470M(ビデオメモリー512MB)は、ベンチマークで見る限り性能はパッとしない。原因のひとつには、メモリーが2GBという最低構成という理由があるだろう。

 それにしても、DirectXで描画して独立GPUを使うはずの「Gaming」の値が、この程度というのは不可解だ。こちらの記事にある「LIFEBOOK SH76/C」は、Core i5-2520M(2.50GHz)内蔵のHD 3000を使用しているが、Gamingの値は「3735」となっている。ローエンドGPUである6470Mでは、HD 3000と性能面で大差がないということだろうか。

MMDでのパフォーマンス計測の一例。左はRadeon HD 6470Mで描画している状態で、フレームレートは84fpsもある。右のバッテリー駆動時は自動でHD 3000に切り替わるようで、フレームレートも33fpsへと激減している


 家庭内でのライトユースを想定していると思われるVAIO Cでは、操作をできるだけ簡略化して「パソコンそのものを楽しんでもらおう」と言うコンセプトらしい。外観デザインにもそれが見てとれる。

 実際に使ってみると、さすがに最小構成のメモリー2GBでは、操作の端々にもたつきを感じる。せめてメモリーは4GBにするなど、最小構成よりは上の構成を考えたいところだが、高コストパフォーマンスの最小構成で気軽に使うのも悪くはない製品だ。

VAIO C 14型(VPCCA1AHJ、試用機構成)の主な仕様
CPU Core i3-2310M(2.1GHz)
メモリー 2GB
グラフィックス Radeon HD 6470M
ディスプレー 14型 1366×768ドット
ストレージ HDD 320GB
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
無線通信機能 IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 2.1
インターフェース USB 3.0×1、USB 2.0×3、HDMI出力、アナログRGB出力、10/100/1000BASE-T LANなど
サイズ 幅341×奥行き235.2×高さ27.9~36.2mm
質量 約2.45kg
バッテリー駆動時間 約3~3.5時間
OS Windows 7 Home Premium 64bit版
価格 6万4800円から(4月22日までのキャンペーン価格)

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筆者紹介─池田圭一

月刊アスキー、Super ASCIIの編集を経てフリーの編集・ライターに。パソコン・ネットワーク・デジタルカメラなど雑誌・Web媒体への企画提供・執筆を行なう一方、天文や生物など科学分野の取材記事も手がける。理科好き大人向け雑誌「RikaTan」編集委員。デジイチ散歩で空と月と猫を撮る日常。近著は「失敗の科学」(技術評論社)、「光る生き物」(技術評論社)、「これだけは知っておきたい生きるための科学常識」(東京書籍)、「科学実験キット&グッズ大研究」(東京書籍)、「やっぱり安心水道水」(水道産業新聞社)など。


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