パターン3
地デジ移行後もメインで使える
1人暮らしに最適なPC
3パターン目に考えていきたいのは、この春から1人暮らしを始めたような人に新人諸君にオススメのPCとしたい。ポイントとなるのは、2011年7月24日までに完全移行が必要な地デジ放送。すでに100日を切った今、地デジ移行の対策を考えるのは遅いくらいだ。
今春より都会での1人暮らしを始めるという人は、大抵の場合居住スペースに制限があると思われる。早い話が「家賃も高いし、そんなに広いところには住めないよね」ということである。限られたスペースの中でTVの占める面積は馬鹿にならないわけだが、今時TVなしの生活も考えられないといのがホンネだろう。そこで、ここでは地デジ移行後もTVとPCがメインで使える自作PCを考えいきたいというわけだ。
TVも兼用するPCというコンセプトのもと候補に挙げたのはこのケース、SilverStone製の「SST-SG02B-F」だ。SilverStoneといえば正統派のPCケースからHTPC(Home Thearter PC)向けのケースまで、幅広いラインナンップを揃える今人気のメーカーだ。コンパクトサイズながら、ATX電源やハイエンドビデオカードも搭載可能で、まさに地デジPC用のケースとしてはぴったりの製品といえる。
マザーボードはMicro ATXフォームファクタという制限が付く。そこで選んだのはASRockの「H67M-GE/HT」だ。チップセットに「H67」を採用する製品で、グラフィック出力はDisplayPort/HDMI/DVI-D/D-subの4系統構成。USB3.0もEtronTech製「EJ168A」コントローラーチップ×2による4ポート仕様となかなかハイエンドな仕上がりで、付属品にはHDDマウンタも兼ねるUSB 3.0フロントパネルのほか、Media Center Editionリモコンが含まれている。HTPC向けのマザーボードとしては、まさに最適な1枚といえるのだ。
よってCPUにはSandy Bridgeを選択。今回はCPUに統合されているVGA機能「Intel HD Graphics 3000」を使いたい関係で「Core i5-2500K」を選んだ。同じクロックの「Core i5-2500」に内蔵されているVGA機能は下位の「Intel HD Graphics 2000」だからだ。
マザーボードとVGAは決まった。続いてその他のパーツも一気に決めいこう。ストレージ構成はチップセットが標準でサポートするSATA3.0を活かすためにSSDにPlextor「PX-64M2S」、HDDにはWesternDigital「WD20EARS」を2台という組み合わせ。2台というのはTVも兼ねるPCという点を考慮し、録画時間等を気にしない仕様としたかったから。最近ではHDDは安いので気兼ねなく容量は増やせるはずだ。
また外せないのが地デジチューナーカードだ。使用マザーである「H67M-GE/HT」には、PCI Express x1やPCIスロット等が用意されているので、この場合どちらのインターフェイスに対応したものを選んでもOKだ。
予算や用途など自分好みの製品を選ぶことになるが、やはりダブル録画サポートと、地デジに加えてBSデジタルや110度CSデジタルの受信も可能な3波対応対応の製品がオススメだ。
比較的新しい物件であれば、入居当初からBSデジタルや110度CSデジタルの受信が可能なところも多く、スポーツ中継や海外ドラマ、懐かしのアニメ、各種専門チャンネルなど、地デジではなかなか放送されないような番組を観られる。
最後に選ぶのが光学ドライブ。今まで紹介してきた2パターンのPCでは、パイオニアのBDドライブを選択してきたが、ここまできたら3モデル目も同社のドライブにこだわりたい。
ということで選択したのはピアノブラック/つやありタイプのベゼルを採用する「BDR-S06J-BK」だ。
光沢のあるフロントパネルを採用するPCケース「SST-SG02B-F」にはちょうどいい製品で、搭載した印象もご覧の通り。
地デジPCは、比較的目につきやすい場所に設置することを想定すると、やはり違和感のないデザインは非常に重要だ。そういう意味では、まさにぴったりの組み合わせとなったのではないだろうか。
パターン3 パーツ構成表 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i5-2500K」(3.3GHz) |
マザーボード | ASRock「H67M-GE/HT)」(H67) |
メモリー | バルク DDR3-1333 2GB×4枚 |
ビデオカード | オンボード(H67) |
SSD | Plextor「PX-64M2S」(64GB) |
HDD | WesternDigital「WD20EARS」×2(2TB×2) |
光学ドライブ | Pioneer「BDR-S06J-BK」(BD-R/BD-R DL12倍速記録対応) |
PCケース | SilverStone「SST-SG02B-F」 |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST75F-P」(750W) |
OS | Microsoft「Windows 7 Professional」(64bit)DSP版 |
その他 | US3.0外付けHDDケース |
以上の構成で概算は12万4500円。のちのち本格的なPCゲームを楽しみたいという場合は、ビデオカードの増設などにも対応可能だ。
マザー付属のUSB3.0フロントパネルに用意されたUSB3.0ポートを有効活用したければ、対応の外付けHDDケースを購入すればすぐにでも利用できる。24インチワイド液晶も今では2万円前後で購入可能だ。1人暮らしにはまさに最適なTV&PC環境が構築できるのではないだろうか。
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