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OVFとEVFの両方が使える「ハイブリッドビューファインダー」搭載

持つだけで幸せ!? 大人のコンデジ「FinePix X100」

2011年04月18日 12時00分更新

文● 小林 伸 、撮影協力●山口 立花子

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最大の特徴はOVFとEVFを切り替えられる
「ハイブリッドビューファインダー」

「ハイブリッドビューファインダー」の仕組み図

「ハイブリッドビューファインダー」の仕組み図

 本機の最大の特徴はファインダーである。同社が「ハイブリッドビューファインダー」と名付けた、光学ファインダー(OVF)と電子ビューファインダー(EVF)の機能を組み合わせたもの。もちろん背面モニターによるフレーミングもできる。

本体前面にあるスイッチでOVFとEVFを切り替えられる。スイッチの右には内蔵フラッシュがあるが、ブライトフレーム式ファインダーであれば、採光窓があるべきところだ

本体前面にあるスイッチでOVFとEVFを切り替えられる。スイッチの右には内蔵フラッシュがあるが、ブライトフレーム式ファインダーであれば、採光窓があるべきところだ

 従来の採光式ブライトフレームを用いたOVFをベースとし、そのブライトフレームに液晶パネルを用いてフレームや撮影情報を表示する、という凝ったもの。さらに撮影条件に合わせて任意にEVFにも切り替えられる。

 OVFを搭載したカメラで気になるのは、レンズの画角とファインダーでの画角との差(パララックス)である。ブライトフレームはそのパパラックスを補正するために、OVFで見えているどの部分が実際に写る範囲かを示すものだ。

 このパララックスが無限遠の場合であれば問題ないが、被写体に近づいたときに問題になってくる。被写体との距離が近い場合、レンズとファインダーの位置の違いによって、実際に写る部分に差が出てきてしまうのである。

 X100の場合、このフレームを採光式(外部の明るさを利用する)ではなく、液晶自体の明るさで表示するので、夕暮れや暗い部屋などでもしっかりとフレームを確認できる。

 さらにX100は10cmまでのマクロ撮影が可能である。実際に10cmに近づいた状態ではOVF内のフレームでは、実際に写る範囲を示しきれないほどになってしまう。このような時は自動的にEVFへと切り替えてくれるようになっている。OVFに対してEVFの見え方も十分に明るく、違和感は感じられなかった。

EVF使用時のファインダー内表示。フォーカスポイントは49点使用できる

OVF使用時のファインダー内表示。フォーカスポイントは25点となる

 ピントに関してOVF時とEVF時ではAFエリアの測距点の数が違ってくる。EVF時では49点のAFエリアを利用できるが、OVF時ではそれが25点へと減ってしまうのは少し残念なところ。

 それこそパララックスのせいもあるのだろう。スピードに関しては、コントラストAFながら普通にスナップ撮影する分には遅いとは感じなかった。

 ただ、OVF使用時で被写体が動いているときなど、合焦のサインが出ていても、被写体が少しでも動いてしまうとそのズレがわからない。これはOVFでは仕方のないことだが、EVFを使用すればズレていることがリアルタイムで視覚できる。このあたりはそれぞれの特性を把握した上で使用しなければならない。

 撮影していて面白かったのは、OVFを使用しての撮影後、プレビュー画像がファインダーに接眼したままで確認できたことだろう。撮影後にOVFの遮光シャッターが閉じ、EVFに切り替わるだけなのだが、非常に静かに動作が行なわれるので、最初見たときには気がつかなかったくらいである。

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