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TECLOSION 2011 Spring 基調講演レポート

愛されるウェブサービスの作り方──Evernote CEOが伝授

2011年04月18日 09時00分更新

文● 盛田諒/ASCII.jp編集部

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開発に集中できる環境が整っている

 それでは何が変わったのか? 彼はそれを、「よけいなことを考えなくてもいいようになった」と表現する。スライドが切り換わり、5つの言葉が並んだ。

  • App Store
  • クラウドサービス
  • オープンソーステクノロジー
  • ソーシャルメディア
  • フリーミアムモデル

 「App Storeがあればソフトの販売インフラを作らなくてもいいし、(お金を出して)開発環境を整える必要もない、MySQLがそうだ。広告を打たなくてもTwitterなどのソーシャルメディアがある。収益モデルにはフリーミアムがあり、価格競争を挑んでくる企業を怖れる必要もない」

 Evernoteは基本無料でほとんどの機能が使えるが、有料会員になれば保存容量のアップや多彩な検索機能を追加できる。フリー会員として広くユーザーを集め、そのうちの何人かにプレミアム会員としてお金を払ってもらう。これを“フリーミアム”(フリー+プレミアムの造語)と呼ぶ。

 逆に言えば、ユーザーに比べられるのは価格でなく内容だ。いい内容であればお金を払ってでも使いたくなる。同じ機能が安いから選ぶわけではない。つまり、ライバルがEvernoteに勝つためには、よりいいものを開発するしかない。

 「マイクロソフトのような超大型企業を怖れる必要はなくなった」

「ギーク実力主義社会」(Geek Meritocracy)

 そして彼はスライドの前に立ってその言葉を読みあげる。「つまり、いいものをつくれば成功する確率が高くなったわけだ」と。

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