改造する前に元のマシンを見ておこう
筆者のする改造は過去の事例からも分かる通り、完成するとほとんどその原型をとどめなくなる(笑)。そこで改造前の状態でISK310-Fusion(MSI)のスペックを見ておこう。これが最後の見納めだ。
まずPCケースだが、これは自作マニアから絶大な支持を受けているメーカーANTECの製品だ。採用しているのはMini-ITXケース「ISK310-150」で、ケース周りは幅222mm、奥行き328mm、高さ96mmと、Mini-ITXマザーの梱包箱の高さがチョット増えた程度。
フロントパネルには、スリム型光学ドライブ用のベゼルが設けられている(ドライブは別売)。加えてeSATAコネクタ×1にUSB2.0×2と、オーディオ端子、そしてパワースイッチまわりが配置されシンプルな仕上がりだ。
マザーボードは、MSIの「E350IA-E44」。これは本ベアボーン専用のマザーボードで、単体では販売されていない。なお、よく似た市販品には「E350IA-E45」があり、ヒートシンクが違う程度でE44とE45のスペックは変わらない。そしてプロセッサはあらかじめマザーに取り付けられたデュアルコアのFusion APU「AMD E-350」(1.6GHz)となっている。
メモリは別売で、DDR3が2本入るスロットが用意され、最大で8GBまで搭載できる。ストレージも別売となるが、2.5インチドライブが2台シャドウベイに搭載可能だ。余った3.5インチドライブを流用しようと思っても内蔵できないので注意してほしい。
ベアボーンキットはメモリとドライブが別売になっているので、用途・目的・予算に合わせてカスタムできるのも魅力のひとつだろう。
とまぁ、大まかなスペックはこんな感じなので、ビジネス機としては余裕のスペック、家で地デジチューナーカードを差してテレビパソコンにしたり、主にカワイイ女の子が登場する不健全なゲームを楽しむ程度ならスペックに問題はない。また大型テレビの横に置いて、ムービー再生用のDLNAクライアントなんて使い方もあるだろう。
電源は150Wと小さめだが、ロープロファイルのPCI Express x16(x4動作)が1本、スリム型光学ドライブが1台、2.5インチドライブが最大で2台なので、容量が足りなくて困ることはない。
その他の細かいスペックは、以下の通りだ。
ISK310-Fusion(MSI)スペック表 | |
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ケースファン | 80mm×1内蔵(スイッチによる3段階の調整が可能/80mmファンを別途追加可能) |
チップセット | AMD Hudson M1 |
メモリ | スロット×2(DDR3 1333/1066MHz、最大8GBまで) |
VGA機能 | AMD Radeon HD 6310(HDMI+RGB出力) |
オーディオ | Realtek「ALC887」(High Definition Audio) |
ネットワーク | Realtek「8111E」(10/100/1000Mbps) |
SATA | SATA3.0(6Gb/s)×4(1つはフロントパネルのeSATAコネクタへ) |
USB | USB2.0×10(チップセット内蔵/2系統がフロントパネルへ、6系統がリアパネルへ) USB3.0×2(NEC「D720200F1」/2系統ともリアパネルへ) |
シリアルポート | リアパネルの出力はないが、マザー上にコネクタあり |
BIOS | AMI Aptio |
対応OS | Windows 7/Vista(ともに32/64bit対応) Windows XP(SP2以降) Windows XP Professional(64bit) |
このようなスペックになっているので、別売で買い揃えるパーツは、おのずと次のようになるだろう。
別途必要なパーツ(理想) | |
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OS | Windows 7またはVista(HDDや光学ドライブ、メモリと一緒にDSP版を買おう) |
メモリ | DDR3 1066 4GB×2 |
HDD | 2.5インチHDD×1(500~750GB) 資金に余裕があればシステム用にSSD(64GB)+データ用HDD(320~500GB) |
キーボード/マウス | お好みで(ただしPS/2コネクタは1系統のみなので注意) |
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