4月16日にリンクスインターナショナルから、AMDのFusion APU「E-350」を搭載した小型ベアボーン「ISK310-Fusion(MSI)」が発売された。Mini-ITXベースでコンパクトで軽量、しかもケースはANTECのシンプルなケースで、秋葉原での実売価格は2万1780円前後だ。
そして先日リンクスインターナショナルに遊びに行ったとき、実機が何台か置いてあり、それを見た瞬間、ニュータイプのオレの脳内に閃光が走った!
「コイツでラップトップパソコン作ったら面白くないっすか?」
リンクスの担当さんは眉を潜めるものの、コレまで数多くのガ○ダム系PCを作ってきたわれわれの笑いと技術を信用してくれて、発売前に1台譲ってもらえることとなった。
もらってしまえば、コッチのモン!(リンクスさんにはナイショだよ!) さーて、どう調理してやろうか――。ふっふっふっ。
ラップトップパソコンなんて知らネーよ!
な読者は読め!
若い世代はラップトップパソコンなんて耳にしたこともない人が多いだろうから説明しておこう。それはこの世にノートパソコンが生まれる前に、ひざの上に置いて使える「ラップトップパソコン」なるものがあったのだ。世界初ラップトップ機は、東芝製「T1100」(1985年製)。
スペックから見ると、エアコンの多機能リモコンくらいの性能だが、重量はなんと4kg!もあるシロモノだ。
そんなバカデカくて重いラップトップPCだが、ステーキをポンド単位で食い、コーラをガロン単位で飲むアメリカ人には、持ち運べるパソコンとしてバカ売れした。まぁ、ヤツらは車で移動するから重さなんてそんなに気にならないらしい。ちなみに魚と野菜を食べ、ミソスープをすする日本人には、さっぱり売れなかったのは言うまでもない。
また国産の名機PC-9800シリーズからも「PC-98LT」なるラップトップパソコンも発売され、その後「PC-9801N」(98NOTE)などのより薄いノートパソコンも発売されるが、ラップトップも細々と併売されていた。筆者が知る限りでは1992年に発売された「PC-H98T model 2C」が国産最後のラップトップだろう。
CPUはIntel 486SX 25MHzでメモリが標準で3.5Mバイト、ディスプレイはTFTカラー液晶で解像度は1120×750ピクセル(いわゆるハイレゾ!!)、そしてその重量は12.8kgと現在のデスクトップ機よりも重い(膝に乗せたら江戸時代の拷問だよ!)。
ただ持ち運び用のハンドルが付いていたのでラップトップ機に分類されていたが、キャリーバッグのような車輪を付けないと一人で持って歩くのは困難だった“迷機”だ。しかもお値段は175万円と、もはやパソコンの価格じゃないところまで来ていたのだ。いうなれば、モンスター ラップトップマシン! 実にラスボスらしい風体じゃないか。
一方、「ISK310-Fusion」(MSI)はCPUにAMD E-350を搭載し、メモリは最大8GB、フルHD出力もできるオンボードビデオも搭載していて、ビジネスマシンとしは十分すぎるほどのスペックながら、重量4.1kgと超軽量。なので液晶ディスプレイを一体化しても、10kgは余裕で切るはずなのでラップトップ機としても十分使える、という計算だ。
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