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法人向けMac版やサービスプロバイダ版も登場

年末にはシェアを5%へ!カスペルスキーの法人向け戦略

2011年04月14日 09時00分更新

文● 渡邉利和

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4月13日、カスペルスキー・ラボは法人向け新製品/サービスの発表を行なった。震災や原発の事故を機に外国人が続々と日本を去っているとの報道もあるなか、CEOのユージン・カスペルスキー氏自らロシアから来日することで日本市場を重視する姿勢をアピールした。

Mac版とSaaSが新たに登場

 新製品として発表されたのは、法人向けMac用セキュリティ製品「Kaspersky Endpoint Security 8 for Mac」と、SaaS型エンドポイントセキュリティ管理サーバー「Kaspersky Security Center Service Provider Edition」の2種。

 Kaspersky Endpoint Security 8 for Macは、Apple Macintosh(Mac OS X 10.4.11、10.5、10.6)に対応したクライアント向けセキュリティソフトウェア。個人/SOHO向け製品としては“Kaspersky Anti-Virus for Mac”が以前から提供されていたが、法人ユーザー向けとしては初のMac対応となる。これで同社の法人向けのエンドポイントセキュリティ製品はWindows、Linux、MacOSの主要な3種のプラットフォームに対応したことになる。セキュリティソフトウェアとしての機能はほぼ個人向け製品に準ずるが、最大の違いは統合管理に対応していることで、3種のプラットフォームが混在する環境でも、1つの管理サーバ(Kaspersky Administration Kit)で一元管理が可能になる。発売は5月16日の予定。

Mac自体の防御の他、Macを踏み台にする攻撃も防ぐ

管理サーバーにより、WindowsもLinuxもMacも配下に

 Kaspersky Security Center Service Provider Editionは、名前の通りサービスプロバイダー向けに提供されるサービスで、同社製品の管理やメンテナンスをリモートから一元的に行なうための「Kaspersky Administration Kit」が提供される。サービスプロバイダはこのサービスを利用して独自の付加価値を加えたエンドポイントセキュリティサービスを構築し、ユーザーに提供することが可能になる。同社からエンドユーザー向けの同サービスが直接提供されることはなく、パートナー販売のみとなる。発売は6月の予定。

サービスプロバイダー版のビジネスモデル

 現在、同サービスに基づくサービス提供を予定しているパートナーとしては、HOTnet(北海道総合通信網)、ユーザーサイド、CTCシステムサービスの3社が公表されている。

法人市場への取り組みの強化

 まず登壇した本社CEOのユージン・カスペルスキー氏は、日本での体制強化の取り組みについて概要を紹介し、人員増とオフィス移転を行なうことを公表、さらにサービス分野の取り組み強化や日本国内との大学との連携の強化といったさまざまな施策を打っていることを明らかにした。

カスペルスキー・ラボ 最高経営責任者(CEO)ユージン・カスペルスキー氏

 また、同氏は最新のセキュリティ動向としてスマートフォンやタブレットといったモバイルデバイスを狙った脅威が急速に進化していることに触れ、「PC向けに10数年かけて進化してきたマルウェアと同等水準の攻撃が、すぐにもモバイルデバイス向けに仕掛けられるようになる」との見通しを示し、早急な対応が必要だとした。同社でも、モバイルセキュリティ専従チームを設置して技術開発に取り組んでいるという。

 さらに同氏は日本での震災に関連して、同社の被災者向けの取り組みとして義援金の拠出や、ロシア国内の製造会社と契約してガイガーカウンターを調達、日本に送る準備を進めているなどと語り、「私にとって日本は、単にビジネスの場というだけに留まらず、大切な場所だ」と表明した。同氏は日本行きのフライトが「プライベートジェットのようにがら空きだった」と紹介しつつ、現状を恐れて日本を避けるようなことはないし、日本にフォーカスしたセキュリティ保護を継続的に提供し続けると語った。

 続いて、4月1日付けで日本法人の代表取締役会長に就任した加賀山 進氏が登壇し、同社の体制変更について簡単な紹介を行なった。日本法人は従来フランチャイズ形式で運営されていたが、今年3月に資本構成を変更し、ロシア本社の100%子会社となったという。これは、世界各国で行なっている手法だということで、まずはスモールスタートの形でフランチャイズ形式の現地法人を設立し、軌道に乗ったところで100%子会社化して本社が強力にコミットメントする、という展開を米国等でも行なってきたという。日本でも同様に、今後より一層の体制強化を行ないながら協力にビジネスを推進していくという。

カスペルスキー・ラボ 日本法人 代表取締役会長 加賀山 進氏

 法人市場への取り組みと製品の詳細について説明した同社のコーポレート営業本部 本部長の嵯峨野 充氏は、今後の目標として「Kaspersky Endpoint Security 8 for Macの初年度販売は30,000ライセンス」(法人が利用するMacintoshの3%強に相当すると推定)、「Kaspersky Security Center Service Provider Editionの初年度売上1億円」(TrendMicroのSaaSビジネス規模である5億円の20%に相当)、「法人市場でシェア5%を獲得」といった目標を掲げていることを明らかにした。

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