SANも、NASも1台でOK!ハイエンドの機能をミッドレンジへ
新世代の汎用ストレージ「VNX」はこうして生まれた
2011年05月09日 06時00分更新
CLARiXとCelerraのいいとこ取りを実現
ハードウェアは、NASヘッドとSANストレージが統合されたNSシリーズに近い構成で、DataMoverのファイルシステムとブロックデータの制御を行なう機構が冗長構成で配置されている。CPUはインテルのマルチコアCPUを採用し、バックエンド(ドライブインタフェース)は6GbpsのSASを用い、高速性を追求した。ストレージは通常のSAS HDDと高速なSSD、回転数を落としたニアラインSAS HDDを選択可能となっている。
5種類用意された各モデルはCPUとメモリ、バスの数などが異なり、ハイエンドモデルは1000ドライブ搭載可能で最大2PBまで拡張できるという。また、CLARiXと同様、モデルによってはプロセッサーモジュールのアップデートなども可能だ。
ソフトウェアに関してはFlareとDARTの機能が統合され、各種のファイル共有プロトコルのサポートや、FC、FCoE、iSCSIなどへの対応はもちろん、SANコピーや仮想プロビジョニングやファイルの重複排除、自動階層化機能のFAST、ブロック圧縮などのEMCが誇る高度なストレージ管理機能をスイートという形で利用できる。また、「Unisphere」というGUIツールを用意し、とにかく簡単に設定・管理ができるように配慮されている。
竹内氏はVNXについて、「基本的にVNXはSANとNASが統合された形でユニファイドで提供され、NASのみ、SANのみといった選択もできます。NAS/SAN構成からユニファイドへの移行も可能です。基本機能は標準で使え、プロテクション機能、FAST、アプリケーション連携、コンプライアンスなど5つのスイートからライセンスをご購入していただきます」と説明する。ソフトウェアライセンスも従来から刷新され、各機能を選択すれば、ブロックやファイルという区別なく使えるという。
汎用ストレージということで、想定用途はさまざま。余裕のあるハードウェアリソースも手伝って、「ファイルアクセスとブロックアクセスで処理ハードウェアを分離しており、またFASTを活用することでアプリケーションごとに論理ボリュームの最適化を図ることで、データベースとファイルサーバー、仮想化などをいっぺんに動かせます」(竹内氏)という使い方でも問題ない。
製品は2月に出荷が開始。コストパフォーマンスの高さもあり、中堅中小企業の新しい選択肢として提案されているという。4月には低価格な「VNXeシリーズ」も投入され、SMB向け市場への本格的な攻勢がスタートしている。「高価」「プロ向け」という従来のEMCストレージのイメージを払拭し、ミッドレンジストレージの新しい選択肢として製品の魅力を訴求できるか? VNX/VNXeの真価が問われる。
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