企業のIT製品・サービス導入をサポートすべく、3月に発売された「クラウド時代の製品・サービス選び Vol.1」。実際のITシステムの導入・運用担当者はどのように読むのだろうか? インターネットビジネスや社内インフラを担うネットプライス・ドットコムのお二方にインタビューした。
インターネットビジネスのインフラで導入する製品選びとは?
今回お話しをお聞きしたのは、通販サイト「ネットプライス」をはじめ、コマース、オークションやドロップシッピングなど12社の持ち株会社であるネットプライスドットコムのIT担当者であるお二人。インターネットビジネス向けのインフラ構築から社内システムまで幅広くITを担当している。
まず普段の情報収集だが、やはりネット企業ということもあり、Webでの情報収集がメイン。取引先から情報収集するパターンも多いが、イベントでの名刺交換はある程度絞っているという。「Gmailでキーワードを設定しておいて、関係する記事を掲出しておくようにしています」(鈴木氏)などといった工夫も行なっている。雑誌は会社で定期購読していることが多く、自分の見方とは違った情報が役に立つという。「紙は情報がまとまっていて読みやすい点にあるかと思います。Webの情報は新しく、膨大な量がありますが、とにかく探すのが大変です」(高橋氏)という意見だった。情報のパッケージ化やアンテナとしての役割が紙媒体には求められているようだ。
一方、情報収集で困っていることは、横並びの比較がなかなか難しいという点だ。高橋氏は「多種多様なサービスがあるなかで、自社要件にもっとも適しているサービスはなにか検討する際に、比較は必ず行なう作業です。そのため、横並びの資料があると、読者としては助かります」と述べている。
鈴木氏はやはりマニアックな情報が集めにくい点が困っているという。「弊社ではデータベースとしてIBMのDB2を使っているのですが、やはりOracle DBに比べて、情報が少ないので苦労しています」(鈴木氏)というコメント。特に広告収入に依存しているWebメディアの場合、どうしてもメジャーな企業や製品の露出に偏りがちだ。販売収入と広告収入のバランスがとれている紙媒体が少なくなっている昨今、いかに読者とクライアントのニーズを満たしていけばよいのかは、我々のようなメディア側でも真剣に考えなければならないだろう。
ユーザーの目線に寄り添う情報提供を
さて、お二方には先んじて「クラウド時代の製品・サービス選び Vol.1」を送付し、読んでおいてもらったが、前回の成城大学と同様、特集1の「IaaS導入のベストチョイス」と特集3の「クラウドのリスクとセキュリティ」が役だったという。同社のサービスの拡大においてクラウドを検討しているとのことで、「クラウドサービスの利用を始める企業にとっては、誌面上に多くのサービスがまとまっているので、選定時に大変参考になります」(高橋氏)と、ありがたい評価をいただいた。
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クラウドからサーバー、セキュリティまで失敗しないIT導入をサポート
「クラウド時代の製品・サービス選び Vol.1」
- 著者:TECH.ASCII.jp編集部
- 定価:1,280円 (本体1,219円)
- 発売日:2011年2月18日
- 形態:A4変 (112ページ)
- ISBN:978-4-04-870370-3
- 発行:アスキー・メディアワークス
- 発売:角川グループパブリッシング
- 目次:IaaS導入のベストチョイス/デスクトップ仮想化のすべて/知っておきたいクラウドのリスクとセキュリティ/失敗しないサーバー選びのポイント/仮想化&クラウド時代の最新大学事例/IBM CloudBurst完全解剖/最新製品レビュー(ヤマハ「NVR500」、フォーティネット「FortiGate-60C」、ALSI「InterSafe SecureDevice」)
鈴木氏からは、「IaaS選びはよい記事だと思いましたが、たとえばデータセンターの場所やSLA、広域Ethernetの引き込みは可能か、などが比較されていると、もっとよかったです。あと、データセンター事業者もいろいろいるので、キャリアか、データセンター専業か、ISPか、SIerかなど、事業者の本業を知りたいと思いました」という鋭い指摘があった。特集2のデスクトップの仮想化に関しては「仮想化環境のアンチウイルスの運用とか、業者の提案から落とされていることも多いので、(記事中で)よく突っ込まれているなと思いました」とのこと。マニアックな情報だが、製品・サービス選定においては、やはり重要になるというわけだ。
今後必要となる情報としては、やはり災害対策だという。「大震災以降、BCPは非常に気になっています。データセンターがどんな地盤に載っているかとか、オンラインバックアップのサービスはどんなものがあるか、などが知りたいです」と鈴木氏は語る。災害対策ではいざという時に失敗できないが、コストも無尽蔵ではないので、賢いプランを作るための情報が欲しいという。
今後もこうしたユーザーの目線に寄り添う情報を提供していきたい。
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