鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第33回
複数枚超解像に、ネット機能と、最新技術がてんこ盛り!
ソニーBRAVIAの最上位機「HX920」はこんなに凄い!!
2011年04月13日 12時00分更新
スマートテレビ? いいえ、「インターネットテレビ」です
ネットワーク関連の新機能はHX920シリーズだけでなく、今春登場モデルのほか、後述する比較的最近発売されたモデルでも利用できる。これはBRAVIAが備えるインターネット機能「アプリキャスト」の新機能として追加されたためだ。
すでに予告されていたものもあるが、4月下旬の発売に合わせて、SNSの「Facebook」と「Twitter」に対応。このほか、「ニコニコ実況」や「ポケットチャンネル」といったサービスにも新対応となる。
大きな特徴と言えるのは、テレビを見ながらこれらの機能を併用できる点だ。例えばTwitterなら、ハッシュタグ検索で現在放送中の番組についてのつぶやきだけを表示しながらテレビ視聴ができるし、ニコニコ実況はまさにそれを行なうためのサービスだ。
Facebookにしても、テレビの視聴を中断してまで表示するくらいなら、ノートパソコンを手元で起動してチェックした方が便利だと思うし、なにより一緒に見ている家族の不興を買う。その点、画面をちょっと縮小する程度ならあまり文句は言われないだろうし、ちょっとした確認などには便利だ。
ユニークなのが、テレビで紹介された情報を素早くピックアップする「ポケットチャンネル」。テレビ番組で紹介したアイテムやグルメ店などの情報をテキストや地図入りの情報で確認できるものだが、リモコンの裏面にある「FeliCa」ポートを使えば、対応する携帯電話に情報を転送できるのだ。
テレビ番組で行ってみたいお店や気になるアイテムを見つけたら、ポケットチャネルで詳しくチェックして、携帯電話に情報を転送すれば、そのまま持ち出して出掛けられる。これは実に便利だ。
こうしたテレビ放送とより親和性を高めたインターネット機能のあり方は、今後Andoroid OSを搭載した「スマートテレビ」などで加速していくものと思われるが、筆者としてはもともと「アプリキャストで十分じゃないの」と思っていた。
実際のところ、テレビが備えるインターネット機能としてはこれで満足だ。ソニーとしても、こうした機能をさらにアピールしていく方向で、「ソニーはインターネットテレビ」といったフレーズのCMを放送開始しているようだ(現在は中部地方より西側の地域でのみ放送中)。
こうしたアプリキャストの機能は、最新モデルだけでなく、比較的最近発売されたBRAVIAでも利用できる。ただし、発売年によって対応できないサービスもある。おおまかには、Facebookとポケットチャンネルは2011年モデル以降のモデル、Twitterは2010年モデル以降、ニコニコ実況は2008年モデル以降での対応となる。サービスの高機能化で旧モデルでは対応できないものが出てしまうのは少々残念ではあるが、仕方のない部分だろう。
ビデオ通話サービス「Skype」も、テレビ番組を見ながらの通話が可能。ただし、通話がしやすいように、テレビ放送の音声は消音され、スピーカーからは相手の音声が出力されるようになる。
テレビ視聴中に電話が鳴ったときでも、テレビの音声をミュートする人は多いし、ニュースやバラエティなどならば案外音声なしでも内容は掴めるので便利だ。
一緒に見ている家族には不都合となるので、Skype利用時の音声をヘッドホン出力に切り替えができたり、Bluetoothヘッドセッドなどが利用できたりといった今後の改良にも期待したいところだ。
このほか、EX720シリーズで初登場の「Track ID」も搭載。テレビ放送やCMなどで使われた楽曲の情報を手軽に確認できる機能だ。
動画配信サービスについてもEX720シリーズと同様で、ソニー独自の「Qriocity」に搭載するなど、多数のサービスに対応する。動画配信は目新しいサービスでもあり注目度は高いが、テレビのインターネット機能として考えると、アプリキャストで追加された前述の新サービスのほうがより魅力的だ。
おそらくはスマートテレビを含め、テレビのインターネット機能としては、いかにテレビ放送の楽しみを拡大するかがポイントになるだろう。単にメールやインターネットブラウザーが使えるだけならば、手元にノートパソコンを置いておく方が使い勝手がいいし、そうしている人はすでにいるだろうから。
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