価格も逆転しDDR3が主流となったメモリ
さて、AMD/Intel各社のCPUやチップセットを確認したところで、今度はメモリについて解説を進めていこう。Intelプラットフォーム、AMDプラットフォームともメモリは完全にDDR3に移行した。もちろんいまだにDDR2メモリはもとよりDDRメモリも入手可能だが、こちらは新規PC用というよりは既存環境のアップグレードや保守用といった意味合いが大きい。
DDR3メモリは大容量、低価格化が進み、2GBから4GBモジュールが主流となっている。32ビットOSでは4GB以上のメモリを利用することはできないが、Windows 7の登場によって64ビットOSの普及も急速に進んでおり、大容量メモリを使用するハードルはこの1年で大きく下がったといえる。
デスクトップPCの場合、デュアルチャネルでは2枚単位、トリプルチャネルの場合は3枚単位で増設するのが基本となっている。そのため、1枚ずつの購入も可能だが、2枚または3枚で動作を確認しているセットモデルを購入するほうがいい。また、LGA 1155のような新規プラットフォームでPCを組む場合は、メモリの相性問題が発生しやすくなっている。なるべく相性問題を回避するには、メーカーが正式対応を謳っている製品を目安にするのがいい。
なおDDR3メモリは、通常のDDR3-1333のほか、DDR3-2000やDDR3-2400といったオーバークロックを前提とした製品が多く販売されている。オーバークロックメモリは特に相性問題が発生しやすいため、メーカーによってはプラットフォームごとに異なるラインナップを揃えているところもある。こちらもよく確認し、自己責任と認識したうえで購入したい。
CPUはPCの中心的なパーツ
これが決まれば他パーツも自ずと決まる
ここまで、駆け足ではあるが2010年3月~2011年4月までのCPU/メモリ/マザーボードのトレンドを紹介してきた。冒頭でも述べた通り、CPUはPCの中心的なパーツで、ここが決まればあとは自ずと他の構成も決まってくることになる。PCを組む際は、まずCPUの選定から始めることになるわけだ。
ところが、本特集で紹介したとおり、Intel、AMDそれぞれのメーカーから数多くのCPUが発売されているため、予備知識もなくCPUを選択するのは難しい。特にIntelの場合、現在LGA 1366、LGA 1155、LGA 1156、LGA 775の4つのプラットフォームのCPUが入手可能で、性能や価格帯の重複するものが数多く存在する。そのため、どの製品を選択すればいいか迷ってしまうこともあるはずだ。そんなときはまず、6コアCPUが必要ならLGA 1366、不要ならLGA 1155から選択するというのもありだろう。特にLGA 1155は、性能と消費電力のバランスがよく、一部のハイエンドな作業を除けば十分な性能を発揮してくれるはずだ。
一方で、AMDの場合は、上位から下位まですべてAM3に統一されているためプラットフォームの選択は容易となる。あとは本記事を参考に価格と性能のバランスを見て自分に合ったCPUを選択していただければと思う。
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