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2011年版 新世代ウェブブラウザー対決 第2回

競合の追撃を受けるGoogle Chrome 11βの改良点は?

2011年04月08日 12時00分更新

文● 山本雅史

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同期機能も改良され
複数パソコンでの共用がより容易に

 さらにChrome 11は、「Indexed Database API」(IndexDBとも呼ばれる)にも対応している。この機能は、ウェブブラウザーを動かすクライアント側にデータベースエンジンを置き、ウェブサイト側からクライアント側に保存されているデータベースにアクセスするというものだ。この機能を使えば、クラウドとクライアントをデータベースで有機的に接続して、データをやりとりできる。

 例えば、ウェブサーバーから商品リストのデータをクライアントに送信して、その後はクライアントに保存されたデータを使用すると、すべてをクラウド上で処理するよりもインタラクティブなUIを作ることができる。GmailやGoogle Docsなどのウェブアプリケーションでも、アプリケーションの動作にはクラウドを使うが、データはクライアント側に保存するといった使い方も可能になる。

 IndexDBはFirefox 4.0も対応しているが、IE9は対応していない。しかしマイクロソフトの「HTML5 Lab」では、プロトタイプの実装が公開されている。IE9のアップデートか次期IEになるかはわからないが、いずれ対応されるだろう。

 このほかにChromeには、「Firefox Sync」と同じような同期機能が搭載されている。以前のバージョンはGoogleアカウントを利用して、設定情報を複数のChromeで同期させていた程度だった。それがChrome 10以降では、ブックマークや拡張機能、パスワードなども同期するようになった。

 改良された同期機能により、使用中のパソコンのChromeと同じ環境を、Chromeをインストールしたばかりの別のパソコンでも利用できる。

ツールの個人設定に同期という項目がある。Googleアカウントを使って、ほかのChromeに保存されている設定と同期させる

同期できる情報はアプリケーション、自動入力、ブックマーク、拡張機能、パスワード、設定、テーマなど

追いついてきた競合ブラウザー
対抗するのは開発の速さか?

 筆者が初めてChromeを使ったときには、JavaScriptの処理スピードに驚いたものだ。しかしFirefox 4.0やIE9がリリースされ、それぞれのJavaScriptエンジンが高速化された今では、競合製品もChromeにほぼ追いついたと言える。実際にこれら競合を使ってみると、体感速度はChromeとあまり変わらない。

 もちろんGoogleも、ChromeのJavaScriptエンジンのさらなる高速化を行なっている。だがこれ以上劇的に高速化するのは、よほどの技術的ブレイクスルーがないと難しいかもしれない。

 一方HTML5やCSS3に関しては、段階的に機能追加していく方針を継続する以上、IE9やFirefox 4.0のレベルに達するには、あと数ヵ月はかかるだろう。HTML5のGPUアクセラレーションに関してはIE9が最も進んでおり、ChromeはFirefox 4.0と比べても出遅れ気味である。

 ChromeはWindowsだけなく、Mac OSやLinuxなどのプラットフォーム別にリリースされている。そのため、多くのプラットフォームで動作する利点を持つわけだ。しかしGPUアクセラレーションを使うには、各プラットフォーム独自の機能にも踏み込まなくてはならない。特にChromeのWindows版は、マイクロソフトがIE9でサポートを止めたWindows XPもサポート対象なので、GPUの活用に限界があるのかもしれない。

 率直に言えば、現時点の次世代ウェブブラウザーの中で、Chrome 11を強く勧める理由は少ない。しかしChromeの開発スピードは、競合ウェブブラウザーのそれと比べれば信じられないくらい速い。競合が次のメジャーアップデートを迎える頃には、Chromeはまた一歩先に進んでいるだろう。

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