低価格・オールインワン機として魅力的
省電力性能も見逃せない
価格をチェックしてみよう。Lenovo C205の実売価格は4万8000円前後と、5万円を切っている。光学ドライブ搭載のオールインワンデスクトップとしては、なかなか低価格だ。ここに1台、パソコンがあれば……と思うところに、スッと置けるスリムさもあいまって、かなりの魅力がある。
液晶ディスプレーもフルHDではないが、ハイビジョン(720p)を超えるサイズだし、大画面DVDプレイヤーとしても利用できる。
C205の液晶パネルはノングレアタイプ、加えて18.5型の大画面に1366×768ドット表示というドットピッチの広いパネルである。そのためアイコンや文字が大きめで、見やすく疲れにくい。一方で視野角は広くないので、多人数で動画を見るような使い方には向かないようだ。
動画に関連してもうひとつ。本体内蔵のステレオスピーカーについても触れておこう。その音質は高品位なものではなく、低音が弱いのはともかく中~高音域もややノイジーである。内蔵サウンドチップ(Realtek HD Audio)対応のサラウンド機能「SRS PREMIUM SOUND」も備えているが、サラウンド効果はあっても音質向上の効果は小さい。ウェブコンテンツなどのサウンド再生程度ならいいが、本格的に音楽や映画の音響を楽しむような機材ではない。低価格マシンということで割り切りも必要だろう。
Lenovo独自のユニークな機能もある。「Lenovo Dynamic Brightness System」は、周辺環境光の明るさによってバックライトの明るさを自動調整する機能だ。同様の機能は単体の液晶ディスプレーなどにもあるが、ソフトウェア制御で反応タイミングなどを細かく調整できるのは、一体型パソコンならではであろうか。
「Lenovo Eye Distance System」もおもしろい。C205に内蔵する30万画素ウェブカメラと顔認識機能を応用したもので、液晶ディスプレーに顔を近づけすぎると警告してくれるというものだ。作業に夢中になるとだんだんと画面に近づいてしまい、目が疲れたりするものだが、それを防いでくれる。
★
Lenovo C205の注目すべき点には、消費電力の低さもある。C205の最大消費電力は45.22W、標準時消費電力(アイドル時消費電力)わずか17.24Wなのだ。少し前のデスクトップパソコンが、ディスプレーを含めて200~300W使っていることを考えると、コンシューマー向け製品ではあるが省電力志向の企業で大量導入するのも悪くないだろう。ライトユースを想定したコンシューマー製品ではあるが、ビジネス利用でも、ひととおりのことが実行できる性能を備えている。
Lenovo C205(77294AJ) の主な仕様 | |
---|---|
CPU | AMD E-350(1.6GHz) |
メモリー | 2GB |
グラフィックス | CPU内蔵(Radeon HD 6310) |
ディスプレー | 18.5型ワイド 1366×768ドット |
ストレージ | HDD 320GB |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
テレビ機能 | 搭載せず |
無線通信機能 | IEEE 802.11b/g/n |
インターフェース | USB 2.0×5、5in1メディアカードリーダー、10/100/1000BASE-T LANなど |
サイズ | 幅461×奥行き167×高さ385mm |
質量 | 約5.8kg |
OS | Windows 7 Home Premium 64bit |
価格 | オープンプライス(実売価格 4万8000円前後) |
筆者紹介─池田圭一
月刊アスキー、Super ASCIIの編集を経てフリーの編集・ライターに。パソコン・ネットワーク・デジタルカメラなど雑誌・Web媒体への企画提供・執筆を行なう一方、天文や生物など科学分野の取材記事も手がける。理科好き大人向け雑誌「RikaTan」編集委員。デジイチ散歩で空と月と猫を撮る日常。近著は「失敗の科学」(技術評論社)、「光る生き物」(技術評論社)、「これだけは知っておきたい生きるための科学常識」(東京書籍)、「科学実験キット&グッズ大研究」(東京書籍)、「やっぱり安心水道水」(水道産業新聞社)など。
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