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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第59回

BDXLでHDDを光学ディスクにバックアップする技

2011年04月05日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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 また筆者の作業用マシンは、3バージョンのMicrosoft Officeや「JUST Suite」をはじめ、多数のアプリをインストールしているので、データは別のドライブに保存しているにも関わらず、起動ドライブの使用容量が100GB近い。これだけ使うと、今までドライブ丸ごとの「イメージバックアップ」を作る際はHDDに保存するしかなかったが、これにBDXLメディアが使えれば非常に助かる。

 しかし、Windows 7のバックアップ機能はもちろん、サードパーティーのバックアップソフトでも現時点ではBDXLへの直接保存はできなかった。1日も早く対応してほしいところだ。

Windows 7のイメージバックアップ機能ではBDに保存できない

メディアの低価格化に期待したい

パナソニックが発売する、初のBDXL対応3層BD-RE「LM-BE100J」。ただし価格は1枚1万円ほどになるもよう

 現在、市場で手に入るBDXLメディアは3層100GBのBD-Rのみ。書き換え可能な3層100GBのBD-REが、4月15日にパナソニックから発売される予定だ。4層128GBのBD-Rはまだ発売されてもいない。ドライブはすでに対応しているのだから、早急にリリースしてもらいたいところだ。

 加えて、メディアの価格もネックになる。新しい規格のメディアが高いのはいつものことだが、BDXLメディアもなかなか高い。3層100GBのBD-Rメディアが実売価格で4500~5000円もするのだ。GB辺りの単価では45~50円。BD-RやHDDに比べると、大幅に割高となる。

 パナソニックから発売される3層100GBのBD-REは、実売価格が1万円前後になる予定で、GBあたりの単価は約100円とさらに高い。とはいえ、BDXLはデータや映像の永久保存版用バックアップ媒体として、BD-Rが主に利用されるのではないか。

 100GBの容量を持ち、書き換えて何度も使えるBD-REはコスト面で魅力だが、2倍速なら約100GBの書き込みだけで約4時間かかる。メールデータや更新している日々の作業データをバックアップするには使い勝手が悪い。日常的に利用しているデータは従来どおり、HDDやクラウドを利用して冗長性を確保するといいだろう。

記録メディアとGB辺りの単価
メディア 実売価格 1GB辺り単価
HDD 2TB 7000円前後 3.5円
DVD 4.7GB 40円前後 8.5円
DVD 2層8.5GB 90円前後 10.5円
BD-R 25GB 150円前後 6円
BD-R 2層50GB 450円前後 9円
BD-R 3層100GB 5000円前後 50円
BD-RE 3層100GB 1万円前後 100円

 今のところは、数百MB程度のデータをバックアップするなら、BD-Rの2層メディアを利用する方がコストと手間のバランスがいいかもしれない。なるべく早く、3層メディアの価格がこなれてほしいものだ。とはいえ、筆者のように大容量のデータを保存するなら、1枚5000円の価格でも妥協のしどころではある。データの再利用性を考えれば、メディアの枚数が半分になるメリットは大きい。

 この先BDドライブやBDレコーダーを購入するなら、迷わずBDXLドライブにすべきだ。時間が経ってメディアの価格がこなれたら、追加投資なしで移行できる。BDXLが盛り上がって、ドライブや記録メディアがさまざまなメーカーから発売されるのを期待したい。

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筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)、「Linkedln人脈活用術」(東洋経済新報社、共著)。


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