前回までに基本的なウェブサービスは試すことが出来たので、今度はもうひとつの注目要素である「マルチメディアサーバー」を試してみよう。
マルチメディアサーバーを試してみる
マルチメディアサーバーとは、簡単に言えばパーソナル放送局。
対応するクライアントから動画や写真、音楽データを配信するサーバーにアクセスすることで、LAN内のコンテンツを楽しめるというものだ。
TS-412では、マルチメディアサーバーのコンテンツを管理する機能全体を「マルチメディアステーション」と名づけている。
そして、対応するクライアントとは、DLNA(Digital Living Network Alliance)対応のAV機器やソフトウェア、UPnP(universal plug and play)機能に対応したハード・ソフトのこと。
最近のネットワーク接続対応の液晶テレビや、PS3(ソニー)が標準対応しているほか、最新スマートフォンなどでも利用可能だ。
まずは準備。
お馴染みTS-412の設定メニューから、「アプリケーション」→「マルチメディアステーション」を選択し「マルチメディアステーションを有効にする」をクリックして「適用」ボタンをクリック。これだけで準備完了だ。
マルチメディアファイルは、TS-412の「\\neconas\Multimedia\」以下に保存される。なお、初回にマルチメディアステーションの管理画面を開いた場合は、アカウント作成の画面が表示される。
ためしに、ネットワークに接続しているDLNA対応のテレビ(ソニーのブラビア)でネットワークコンテンツを確認したところ、「TwonkyMedia[neconas]」というものが追加されていた。
これで、茶の間でもTS-412のなかのデータを参照できる。PCで編集した動画をDLNA対応テレビで見ることが出来るのだ。
しかし、注意しなければいけないことがある。PCのマルチメディアステーション上で再生できる動画でも、再生側(テレビなど)の対応状況(動画の形式に対応しているかどうか)により再生できないものも存在する。
筆者環境のテレビでは、静止画はJPEGに対応、音声はMP3、WAVE形式、動画はFLV、MPEG1、MPEG2 PS形式に対応している。
ただし、MPEGのコーデックの相性が悪かったのか、MPEG形式の動画(MPEG1、MPEG2 PSとも)再生できなかった。PCで動画を作成する際には出力の際に色々と試行錯誤する必要がありそうだ。
また、ファイル名がDCF(design rule for camera file system)というデジタルカメラ用のファイルシステム規格に準拠した「英字3文字+英数字5文字+拡張子(.mpg/.mpe/.mpeg)」で構成されたファイル名形式でないと認識されない場合もあるので、動画が一覧に表示されない場合には、リネームなどを試してみたるのもいいだろう。