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お寿司をグルーポンの広告風に撮るには? (2/3)

2011年04月06日 11時00分更新

文●Web Professional編集部

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お寿司が美味しくなる光とは!

三浦:ハンバーガーに続いてプロのスタジオ撮影はこんな感じ。


編集:あぁ、やっぱりライトやレフがすごいですねぇ。

三浦:最低、これくらいは必要だから。撮影機材はハンバーガーと同じで、ニコンD3XにPC-E Micro NIKKOR 85mm f/2.8D。撮影したのが、これ。


編集:おぉ、美味しそう! 4貫並んでいますけど、ライティングは1貫ずつ別々ですか?

三浦:いいや、4貫ひとまとめでライティングをしている。全体にお寿司がくすんで鮮度が低く見られないようにお寿司の長辺方向から手前のシャリまで光があたようにライト位置を調整している。

編集:暗く映るとまずそうですからね。

三浦:同時にネタにもハイライトが入るようにしている。たとえば、トロの脂がいまにも口の中に広がりそうに見せるために、ハイライトを反逆光気味に入れてあるんだ。

編集:脂のトロっとした感じが。

三浦:しゃれている場合じゃない! 横の赤貝はイキの良さを表現するために、透過光をあてて半透明にしてある。

編集:ペロっと食べたくなります。

三浦:同じ透過光でも、イクラの場合は、透明感で鮮度を表現して、ハイライトで粒状感を演出しているんだ。それに、ノリのパリっと感をだすために、ライトの光を直接反射する位置に置き、バックに溶け込まないように明るくするハイライトが入っている。

編集:軍艦のノリはパリっとしてないと美味しくありませんからね。

三浦:そういうこと。同じように、コハダのような光り物は“輝き”がないと美味しくないんだ。その“輝き”を出すために、カメラと反射角になる位置にライトを置いているんだ。それと、忘れがちなのが薬味。薬味には質感を出すハイライトをパシっとね。

編集:ネタばっかりに目がいっちゃいますけど。

三浦:そういうこと。写真は映るものすべてに気をまわさないといけない。だから、そういう意味ではお寿司の選択だって大切なんだ。さっき、イクラとエビで撮っていたけど、赤だけになっちゃうでしょ。少し色合いの違うものを配置するといい。

編集:なるほど。

三浦:もうひとつがお皿。寿司桶って、中が黒いでしょ。お寿司は背景が黒だと映えるっていうこと。ただし、同系色のノリの質感を出すのが大変だけどね。

編集:ガラスのお皿ではなくて、色の濃いお皿を使ったのはそういう意味ですか。

三浦:その通り。寿司って聞いたら、黒い皿を用意するぐらいの編集者になってくれると嬉しいな。

編集:はい、がんばります! それで、同じようにコンデジで撮影する場合は、まずライトを……

三浦:だからぁ、それをペラペラしゃべっちゃったらダメでしょ。そういうポイントはプロが教えるデジカメ撮影テクニックに書いてあるんだから。何度いったら分かるのかな、新人!

編集:ひぇ~、申し訳ありませ~ん。

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