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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第30回

新開発高画質エンジンなど、画質も機能も大幅進化!

お買い得度満点!? ソニー「BRAVIA EX720」を試す

2011年03月23日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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「Qriocity」をはじめ
ネットワーク機能は内容充実!

付属のリモコン。無線通信式の「お気楽リモコン」で、背面にFeliCaポートを備えている。ボタンの配置は一部修正されており、録画番組の再生用ボタンなどが上部に追加された

付属のリモコン。無線通信式の「お気楽リモコン」で、背面にFeliCaポートを備えている。ボタンの配置は一部修正されており、録画番組の再生用ボタンなどが上部に追加された

 ネットワーク機能では、新たにソニーの動画配信サービス「Qriocity」が追加された。従来も、「アクトビラビデオ・フル」をはじめ、「YouTube」や「DMM.TV」、「U-NEXT」、現在のテレビではソニーのみの「ベルリン・フィル/デジタル・コンサートホール」と、対応するサービスはかなり多かったが、今回さらに強化された。

 ちなみに、一部機種を除き、有料動画の決済は「Edy」などの非接触型カードで行なえる。このため、リモコンの背面にFeliCaポートを備えている。

「ネットチャンネル」の項目メニュー。新たにソニーが運営する動画配信サービス「Qriocity」が追加されている

「ネットチャンネル」の項目メニュー。新たにソニーが運営する動画配信サービス「Qriocity」が追加されている

「Qriocity」の画面。視聴できるタイトルはすべてサムネイル付きとなっており、タイトル探しがしやすい。動作のレスポンスもスムーズだ

「Qriocity」の画面。視聴できるタイトルはすべてサムネイル付きとなっており、タイトル探しがしやすい。動作のレスポンスもスムーズだ

 Qriocityは有料視聴が主体の動画配信サービスで、BRAVIAで視聴する場合はストリーミング配信のみ(ダウンロード視聴には非対応)。再生開始時にネットワーク回線のスピードを計測し、最適な転送レートで信号を送るため、回線状況による映像の乱れなどが起こりにくいようになっている。

 配信されるのはハイビジョン番組が主体で、タイトルはサムネイル付きで表示されるので、タイトル探しはしやすいと感じた。また、視聴できる映画タイトルの多くは、原語と日本語音声のどちらかを選択でき、さらに各々に2chと5.1ch音声を用意。他のサービスでは字幕版と日本語版が別タイトル扱いとなっており、どちらを選ぶかが悩ましいこともあるが、その点についてはお得だ。

 ちなみにこうした特徴は、先行してサービスが始まっている「PlayStation Store」と同じで、アカウントも共有できる。筆者がPlayStation Storeのアカウントでログインして実際にソフトをレンタル視聴したところ、自宅のPS3のPlayStation Storeでも、レンタル中となっていた。ラインナップされているタイトルについても共通化されているようだ。

 ただし問題は、テレビでタイトルをレンタルすると、その期間、PS3では同じタイトルをレンタルできなかった、という点。こういう事態が発生するのはかなりレアなケースで実用上問題は生じないが、テレビ側でレンタルしてしまうと、PS3からレンタル視聴できないというのはちょっと融通が利かない気がする。

 現在、サービスが増加している動画配信に対し、コンテンツホルダーは異なるサービスをまたいでレンタルしたタイトルの視聴を共通化する動きもある。例えば、Aのサービスでレンタルすれば、Bのサービスからでも視聴できるようにする、といった具合だ。

 これは、テレビで見られるサービスはAだが、パソコンなどで見られるのはBのサービスだけ、という場合に役立つ。現在のルールでは、同じタイトルをそれぞれのサービス(対応機器)でレンタルする“二重払い”になり、それならパッケージソフトを買う方がお得感があるということになる。このあたりについては、動画配信サービスの普及に合わせて、より使いやすくなることを期待したい。

テレビ放送などで使われた曲名などを取得できる新機能「Track ID」。リモコンの「Track ID」ボタンを押すだけで、音楽CDデータベース「gracenote」にアクセスし曲名などの情報を取得する

テレビ放送などで使われた曲名などを取得できる新機能「Track ID」。リモコンの「Track ID」ボタンを押すだけで、音楽CDデータベース「gracenote」にアクセスし曲名などの情報を取得する

 ネットワーク機能では、もうひとつ新機能がある。それが「Track ID」。これは、テレビ放送などで流れてくる曲を解析し、ネットワーク上の音楽CDデータベース「gracenote」と照合して素早く画面に情報を表示する機能。テレビ番組だけでなく、CMもOKで、外部入力の音声にも対応する。

 例えば、BD/DVDソフトの主題歌などの検索もできる。実際に試したところ、リモコンの「Track ID」ボタンを押してから曲の検索が完了するまでに数十秒ほどだった。gracenoteに登録されている楽曲ならばほぼ検索が可能だと考えていいだろう。

情報の取得が完了すると曲名が画面の下部に表示される。さらに詳しい情報をチェックすることも可能だ

情報の取得が完了すると曲名が画面の下部に表示される。さらに詳しい情報をチェックすることも可能だ

曲の詳細情報画面。アルバムのジャケット写真と曲名/アーチスト名などが表示されるほか、同じアーチストの別のアルバムの情報などへのリンクもある

曲の詳細情報画面。アルバムのジャケット写真と曲名/アーチスト名などが表示されるほか、同じアーチストの別のアルバムの情報などへのリンクもある

 実際にサビの部分などを唄ってみせて「この曲のタイトル知ってる?」というようなことは友人同士でよくあるだろうが、CMなどに使われた曲をその場で検索できるというのは便利だ。

 欲を言えばCD販売サービスなどと連携し、その場で検索した曲を収録したCDや、圧縮音源をダウンロード購入できたりすればなお便利。こちらもいずれは採用されることを期待したい。

 このほかネット通話サービス「Skype」をはじめ、アプリキャストの新アプリとして、「Twitter」が追加される(今春サービス開始予定)。画面の右側にツイートを表示できるだけでなく、キーワード検索(ハッシュタグ検索)により、視聴中の番組に関するツイートを表示できる。DLNA、DTCP-IP対応の「ソニールームリンク」など、従来からの機能も備えており、ネットワーク機能についてはかなり充実している。

買い替えテレビとしてかなりお買い得なモデル

 昨年までは省エネ一辺倒だったスタンダードモデルが、今年は売れ筋ゾーンということで各社とも機能強化を行なっており、かなりの激戦が予想できる。本機も3D対応にテレビ録画、ネットワーク機能とかなりの充実ぶりで、機能に関して言えば上級モデルと遜色ないレベルにまで到達してしまった。

 アナログ放送終了直前となるボーナス商戦期には価格もこなれてくると思われるし、お買い得度はかなり優れる。サイズ展開も60V型~32V型と幅広く、ブラウン管テレビからの買い換えから、2台目以降の買い増し用まで対応するオールラウンダー的なモデルだ。


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