【性能チェック!】新劇ヱヴァの色味や書き込みも楽しめる!
── 今度は2Dアニメをチェックするために劇場版のアニメ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を観てみましょう。Blu-ray Discも昨年非常によく売れましたが、画質の面でも最高峰の一角と言っていいのでは?
氷川 クアトロンはイエロー系がきれいだと聞いていますが、(冒頭、真希波・マリ・イラストリアスが出撃するシーンを観ながら)壁に当たって火花が飛び散るシーンの発色、デリケートな光り方が良いですね。
『新劇場版』はフィルムではなくデジタルで作られているので、グリーンとパープルの発色が向上しました。
『破』で言えば、マリのプラグスーツのパイプに使われている蛍光グリーンっぽい発色がそれにあたります。前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』でも、初号機のグリーンのラインが夜景にきれいに光って感動しましたが、その延長にある効果です。
「ほんのり光るグリーン」は、もともとテレビでは表現しにくい色だと思っていましたが、実にきれいに出ていて気持ちいいですね。作り手側が、光のにじみ具合までこだわって描いていることがきちんと見て取れます。
── テレビの進化がアニメの表現を変えているということでしょうか?
氷川 当然、作り手側も意識していると思います。制作時には、マスターモニターを使って、色味や階調を絞り込んでいます。ですから見る側も、マスターモニターに近い、作り手側の意図した色を再現してくれるテレビが選べるといいですよね。その上で、さらに自分なりの審美眼を加えて、色や明暗を追い込むという楽しみ方もあるでしょう。
── 設定項目が豊富なAQUOSクアトロンなら、懐の深い追い込みが可能になりそうです。
折原 AQUOSクアトロンならではという部分では「フルハイプラス」技術がアニメの視聴時にポイントになると思います。通常のテレビは1つの画素を赤/緑/青のサブピクセルで描いていますが、四原色のクアトロンでは赤/緑/青/黄の4つになります。同じフルHDでも、サブピクセル数で見ると普通のテレビが約622万なのに対して、クアトロンが約892万と1.3倍に増えているわけです。
クアトロンでは、このサブピクセルをコントロールすることで、より精細な映像表現を可能にしていますが、アニメではこの恩恵を強く受けられると思います。例えば「斜めの直線」がギザギザではなく直線的に見えるのです。1ドットの中でも線の位置を考えて輝度を調節できる、クアトロンならではの表現だと思います。
氷川 線のニュアンスがきちんと表示されるということは、ありがたいです。絵の描き込み具合を楽しむことにも向いていますから。劇場だと作品の世界にのめり込んでストーリー全体を体感しているため、細かいところまで目が行き届きませんが、DVDやBlu-rayなら見返せますからね。
シンジとミサトが乗ってる車のカーナビも、スイッチまできちんと書き込まれているなとか。爆発で吹っ飛んできた砲台にもラッタル(階段)が付いてるな、とか。何に注目してディテールを描きこむか重視している作品ですから、細かく見えることで印象も深まりますね。
アニメはすべてが人工物なので、偶然はあり得ません。ピントが合ってる箇所や光源、微妙な空気の揺れなど、すべてに演出的な意味が篭っているんです。
── 1回目はストーリーの楽しさに没頭し、2回目には作品のディティールを見る。そして制作者の意図をつまびらかにする表現力を、今回のAQUOS Z5を始めとしたAQUOSクアトロンは持っているということでしょうね。
氷川 このシーンでは虹が上下に出ていますが、虹は新劇場版の『序』からいろいろなシーンで出ています。エンディングでも、人名に虹のハレーションが出てますしね。どういう意図なのかはまだ謎ですが、注目に値する重要な要素です。
折原 そしてクアトロンだとこの虹もはっきりと見て取れます。
氷川 そうですね。虹の中間色も見えてきれいですね。新劇場版は手描きとCGの両方が使われている上に、色味も凝って、庵野秀明総監督が細部まで指示を出しています。書き込みも細かいので、こうしたテストにはもってこいの作品だと思います。
というわけで、2時間に渡る特濃の座談会は終了。3D性能の高さはもちろん、2Dのアニメも存分に楽しめる画質を持つことが、伝わったでしょうか? みなさんもぜひ店頭でAQUOS Z5に触れてみて、その実力を体験してください!