2月24日、アップルより「MacBook Pro」シリーズの新モデルが発売された。見た目は従来から変わっていないのでリニューアルされたイメージを持てない人もいるかもしれないが、実は中身は別モノ。その変化が分かりやすいIntel Core i7-2720QM(2.20GHz)搭載の15インチモデル(MC723J/A)を使って、ベンチマークテストを中心にレビューしていこう。
15インチ MacBook Pro標準スペック | |||
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型番 | MC721J/A | MC723J/A | |
価格 | 15万8800円 | 18万9800円 | |
CPU | Core i7-2635QM 2.0GHz(4コア) | Core i7-2720QM 2.2GHz(4コア) | |
メモリー(最大) | 4GB 1333MHz DDR3 PC3-10600(8GB) | ||
ディスプレー(解像度) | 15.4型 LEDバックライトクリアワイド(1440×900ドット) | ||
グラフィックス機能 | Intel HD Graphics 3000(CPU内蔵)およびAMD Radeon HD 6490M | Intel HD Graphics 3000(CPU内蔵)およびAMD Radeon HD 6750M | |
ストレージ | 500GB HDD (5400回転、SATA) |
750GB HDD (5400回転、SATA) |
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主なインターフェース | USB 2.0×2、FireWire 800(IEEE1394b)×1、Thunderbolt×1、FaceTime HDカメラ、SDXCカードスロット | ||
サイズ/重量 | 幅364×奥行き249×高さ241mm/2.54kg |
ノート最高峰の性能を持ち運べる
MacBook Proには13/15/17インチと3種類のディスプレーサイズが用意されている。15/17インチで、液晶ディスプレーのサイズを除いた仕様面を比べると、端子類以外は同じ。一方、13/15インチモデルでは、13インチモデルのほうがCPUやグラフィックが貧弱だったりする。
位置づけ的には、ノート型Macで最高峰の性能を、より運びやすいサイズで実現したのが15インチモデルと言える。もちろん2.54kgという重量は決してモバイルPCと言えないが、RAW現像や動画編集など、あちこち移動しながらマシンパワーが必要な作業をする人にとってはありがたい存在だ。
かくいう筆者も「これ1台さえ持ち歩けば、どんな内容の作業でもまかなえる」という理由で、15インチモデルを愛用している。過去、マシンパワーを求めてメインマシンをiMacに変えてみたこともあったが、結局、出先で作業することが多いので断念。軽さを求めて、クラウド上にデータを置き、13インチMacBook ProやMacBook Air、iPadを試したこともあるが、やっぱり「できない」や「遅い」の壁にあたって、15インチモデルに戻っている(ちなみに17インチモデルは腰痛がひどいので挑戦できていない)。
見た目は一緒でも、中身は別モノ!
最新の15インチモデルは、そんな「これ1台でOK」のニーズにぴたりと当てはまる進化を果たしてくれた。旧15インチモデルとの違いは、主に以下の5点だ。
- Sandy Bridge世代のCore iシリーズを採用
- グラフィック性能が向上
- メモリー規格をPC-8800 DDR3からPC-10600 DDR3に変更
- 新インターフェースの「Thunderbolt」を搭載
- ウェブカメラ(FaceTimeカメラ)がHD対応
まず大きいのは、Sandy Bridge世代のCore iシリーズを採用したこと。新旧15インチモデルは、ともに「Core i7」のCPUを搭載しているが、前者が第1、後者が第2と世代が違う。プログラムを処理するCPUの心臓部「コア」の数が、旧モデルは2つ、新モデルは4つと2倍に増えたため、重い処理をより短時間で済ませられるようになっている。この辺は次ページにて、ベンチマークを交えてじっくり検証していこう。
もうひとつ、ディスプレーもほかの周辺機器も同じ端子で扱える新インターフェースの「Thunderbolt」を備えたのも見逃せない(詳細はこちらの記事を参照)。普及すれば、機器に合わせていちいち別のケーブルを用意する必要がなくなる。端子の形状は、すでにMacが全機種で採用しているMini DisplayPortと同じだ。
最大転送速度は10Gbpsと、USB 3.0の約2倍で、端的にいえば「ものすごく」速い。これは数百GBを超えることもある動画ファイルを扱うクリエイターにとって嬉しいところ。現状、対応機器は存在していないが、今春にはハードディスクなどが登場する見込みだ。
(次ページに続く)

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