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評論家が語る最新3Dテレビの魅力(前編)

3Dクアトロンが身近になる! AQUOS Z5で楽しむ映画・アニメ

2011年03月25日 11時00分更新

文● 広田稔 撮影●篠原孝志(パシャ)

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3Dが当たり前という時代に

── 2010年は「3D元年」と言われて、対応テレビなどが発売されました。最近の主な動きを教えてください。

折原 2010年の「3D」に関する話題はスゴかったですね。3Dブームがくると確信したのは、2010年1月にラスベガスで開かれた家電見本市「2010 International CES」を取材したときです。会場の5割は3D対応製品という状態で、家電業界もコンテンツ業界も巻きこんで3Dを推進していくんだなと実感しました。

 そして、「ここまできたか」と思ったのは、NHKのニュースで「今年は3Dが流行ります」といった感じで語られていたときですね。60代の両親から「今年から3Dってのが始まるんでしょ?」とたずねられたほどです。

 日本では4月に最初の対応製品が発売されて、そこから注目度がグンと上がっていきました。春夏モデルでは、高級機の目玉機能として盛り込まれていた3Dも、年末の製品では中級機にも搭載されるようになりましたよね。

 今年はもう次のステップに進んでいて、エントリー向けの機種で備えているものもあります。同じ価格帯で「こっちは3D対応で、こっちは非対応」と言われると、対応したほうを選びたくなります。「3D元年」は過ぎ去り、今年は「3Dが入っていて当たり前」という流れになっていくと思います。


パッケージも放送も、今年は3Dが来る!

── コンテンツ面の充実はどうでしょうか。

折原 パッケージ化はまだまだですが、今劇場で上演される映画は3Dばかりになっています。あえて「3D」を宣伝文句に入れないぐらい、普通のものとして定着しています。当然、パッケージ化は進んでいくものと思われます。


── 元の映画はあるのに、3D Blu-rayがあまり出てこない理由は何でしょうか?

「3Dの制作体制が整ってなかったので、パッケージがあまり出てこなかった」

折原 3D映像のオーサリングやエンコードをできる制作会社があまりないことが影響していると思います。 パッケージ化作業はほとんどハリウッドでやっていて、一部のスタジオがそうした新技術を牽引しています。

 ただ、大量に作品を出すとなると、そうした技術検証をしているスタジオだけではなくて、パッケージ化が本業であるポスプロ(ポストプロダクション)まで広まっていかないと間に合わない。

 3Dに関しては、徐々に広まってますが、ポスプロ全体にノウハウが行き渡ってない印象を受けます。

 とはいえ、すでに劇場映画は3Dだらけで、アクションなど立体視と相性のいいジャンルなら3Dで撮影しないほうが珍しいほど。ソースはあるので、時間が解決する問題だと思います。


── 過去に話題になった作品があらためて投入される可能性もある?

折原 非常に高いと思います。

 3Dコンテンツはパッケージだけではなくて、放送でも力を入れている分野です。特に自然やドキュメンタリー系が多いですね。BSでは密かに3D放送を放送しています。

 スカパーでも3D専門の「スカチャン3D」というチャンネルを用意して、毎週末、サッカーの試合を3D中継していました。イタリア1部リーグ(セリエA)の試合も3D生中継されましたよね。


── 思った以上の普及ですね。

折原 ライブものも結構なアーティストが3D中継されていますね。映像配信サービス「ひかりTV」では、10月にアイドルグループのライブを3Dで独占放送したことがありました。「3Dコンテンツの数はまだまだ」と思っていた人も、ちょっと調べてみると意外と見たいものが増えていることに気付くと思いますよ。

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