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SOHOを考える契機にも

停電でも仕事を止めないためのチェックリスト

2011年03月16日 12時32分更新

文● まつもとあつし

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今回は、東北地方太平洋沖地震に伴う計画停電中に仕事を続けるためのアイデアをまとめてみた

 東北地方太平洋沖地震の影響で、関東では計画停電が実施されている。被災しなかった私たちは普段通りの仕事を続けることが、今後の復興のためにも大切だ。ショッキングなニュースに対する反応からデマも飛び交っているが、最新の情報に耳を傾けつつも、通常の仕事を継続することで、普段通りの判断力を維持できると筆者は考えている。

 現在は一部地域に限定されているこの停電だが、その他の地域での普段からの備えを考えるのも大切だ。本記事ではそのためのチェックリストを短くお届けしたい。


計画停電の時間を「念のため」確認しておく

 電力会社、各自治体のウェブサイトなどで停電の有無と時間帯を確認しておくのは、突然の停電の備えとしては有効だ。ただ、時間と場所にあまりにも神経質にはならないほうがいいと筆者は考えている。

 そもそも、日本は諸外国に比べて停電が非常に少ない国で、この状況下でも「計画して」電力を供給できるというのは、驚くべきことだ。しかし、今後もこの状態を維持してもらえるとは限らない。計画に関わらずいつ停電してもいいように備えておくことは、普段の防災意識としてもっておきたい。

計画停電の時間を確認するために

東京電力の計画停電マップ

Yahoo!地図を使い、停電地域をグループごとに色分けして表示


計画停電.com

郵便番号もしくは住所から停電時間帯を検索できる


東京電力 計画停電カレンダー

有志による、Googleカレンダーを使った計画停電時刻表


通信通話手段を確保

 いわゆる黒電話は停電しても大丈夫だが、現在普及している多くの固定電話は電源がないと通話できない。コンビニ等では使い捨て充電器の品薄が続いているが、現在予定されている停電時間であれば、使い捨て充電器に頼らなくても停電時間中の通話には困らないはずだ。

 通話自体も、現在貴重なものになっている電波帯域に負担を掛けないよう、受話中心で考えておきたい。こちらから発信が必要なものは極力パソコンメールやチャットで済ませるなどの工夫も考えたいところだ。筆者の経験では地震直後の混乱の中でもSkypeは問題なく使うことができたことはあわせて記しておきたい。

 ただ、停電中はルーターやモデムも動作しない。現在無料開放されているFONなど市中のWi-Fiスポットも停電中は使えなくなる可能性が高い。

 一方、多くの携帯電話基地局はバッテリーを備えているので、計画停電中も通話・通信は可能であると期待できる。Pocket Wi-Fiなどのモバイルルーターを使っている人はノートパソコンと共に充電をして備えておくようにしよう。デザリング機能を持った携帯電話を使っている場合は、事前に設定方法をチェックしておくべきだ。

 そういった備えにも関わらず、通信ができない場合に備え、最寄りの停電しない地域のカフェ・ファミリーレストランなどをチェックしておくのもいいだろう。自転車があれば意外と足を伸ばせることも覚えておきたいが、初めての場所に移動する際は地図アプリに加え、電気を使わない紙の地図も持って出ると安心だ。

Skype社は、今回の地震で被災地との連絡が取りにくくなっていることをふまえ、同社のWi-Fiネットワーク「Skype Access」によるネット接続利用を日本国内において無料にする判断を下している


仕事が継続できる環境を整える

 自宅で作業を継続するためには、オフィス系のソフトが必要になるが、個人のPCなどでは必要なソフトが入っていないこともあるだろう。

 そんなときはオープンソースのOpenOffice.orgをあらかじめインストールしておけば安心だ。使い勝手はMS-Officeと異なるが、ファイルの閲覧や、基本的な編集であれば問題はない。保存の際にもMS-Office形式を選ぶことができる。

 ネット接続が安定していれば、Googleドキュメントも文書作成と共有には便利だ。筆者は、Googleドキュメントを共有し、チームメンバーとチャットで議論しながら資料を完成させることも多い。出社して同じ場所にいなくてもコラボレーションは可能なのだ。

 先に通信通話手段として挙げたSkypeはファイルの送受信サイズに上限は設けられていない。自宅のプロバイダーのメール容量に不安がある場合には、こちらの利用も検討してもいいだろう。よく連絡する相手にはSkypeを立ち上げておいてもらうよう予め連絡しておく。

ネット接続が安定している場所なら「Googleドキュメント」や「Office Web Apps」といったウェブアプリを利用することで、一時的なノマドワークが可能になる

 このようなコミュニケーションは、いざ停電となったときに慌てて行なってもうまくいかないことが多い。事前に予行演習をしておくことをお勧めしたい。

 明かりについては、ノートパソコンやスマートフォンの画面の明るさがあればなんとかなることが多い。今慌てて懐中電灯や電池を求めて走り回っても徒労に終わるため、それよりも、いまある機器をしっかり充電しておくことをお勧めしたい。

懐中電灯が品薄となっているが、iPhoneをはじめとするスマートフォンを懐中電灯代わりにするアプリで代用できる。数時間の計画停電レベルならこれで十分だろう


すわ停電――できるだけ電気を使わないで仕事を続ける

 計画停電は3時間程度と限られた時間ではあるが、電源容量が小さいノートパソコンでは、それでも作業が続けられない可能性がある。ノートパソコンで仕事をする上で普段やっている工夫でも停電のなかではつい忘れてしまうことも多い。

 下記はバッテリーの持ち時間を長くするためのチェックリストだ。

  • 画面はできるだけ暗くして使う。これがバッテリーの持ち時間には一番有効
  • 使わない機能は切る(Bluetoothや内蔵ドライブなど)
  • 余計な周辺機器はつながない
  • 省電力モードがあるノートパソコンではその設定に切り替える
  • パソコンに負荷がかかる作業はできるだけ控える(映像のエンコードや緊急以外のOSアップデートなどは後回しに)


その出社はホントに必要?

 筆者は阪神淡路大震災のとき、大阪府近郊のベッドタウンに住んでいた。当時大学生だったが、早朝の地震のあと、電車が止まっているにも関わらず多くのビジネスパーソンが徒歩や自転車で会社に向かう光景を見て驚いたのを思い出す。

 インターネットが普及した現在、オフィスに集まらなくても仕事ができるということは指摘されてきた。従来からSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)という概念は提唱されており、一部の企業では導入も進んでいる。

 もちろん、出社しないと行えない仕事もあるあろう。しかし、徒歩や自転車での移動には事故の危険も伴うし、一部運行している電車を使うことは、節電が求められる中、その分貴重なエネルギーを使うことになる。

 習慣や使命感に捕らわれない柔軟な発想が求められるタイミングだ。会社勤めの方には本当に必要な出社なのか、経営者の方には出社を求める必要性があるのか、十分に吟味してもらいたいと思う。

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