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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第29回

300fpsで決定的瞬間を逃さない!!

ビデオカメラとコンデジが高度に融合!? JVC「GC-PX1」

2011年03月15日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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精細感の高い動画にびっくり!!

手ブレ補正は、歩き撮り撮影などでの手ブレを抑える「入(A.I.S.)」が選べる。広角ではかなり安定感のある撮影が可能

手ブレ補正は、歩き撮り撮影などでの手ブレを抑える「入(A.I.S.)」が選べる。広角ではかなり安定感のある撮影が可能

感度アップでは、自動で感度を調整する「AGS」と、暗い室内での撮影などでさらに感度を高める「AGCSオート」がある

感度アップでは、自動で感度を調整する「AGS」と、暗い室内での撮影などでさらに感度を高める「AGCSオート」がある

光学ズームは10倍だが、最大16倍の「ダイナミック」ズーム、64倍の「デジタル」ズームが選べる。ダイナミックは画素の一部を切り出して拡大する機能で、解像度劣化もほとんどなく、十分実用できる

光学ズームは10倍だが、最大16倍の「ダイナミック」ズーム、64倍の「デジタル」ズームが選べる。ダイナミックは画素の一部を切り出して拡大する機能で、解像度劣化もほとんどなく、十分実用できる

マニュアルでのフォーカス調整。レンズ(ボディ)部にあるレバーを操作してフォーカス調整が行なえる。画面タッチでの操作も可能

マニュアルでのフォーカス調整。レンズ(ボディ)部にあるレバーを操作してフォーカス調整が行なえる。画面タッチでの操作も可能

露出補正の調整も同様にレンズ部にあるレバー操作と画面のタッチ操作で行なえる

露出補正の調整も同様にレンズ部にあるレバー操作と画面のタッチ操作で行なえる

300fpsのハイスピード撮影モードの画面。上部の中央右寄りに「H」マークの緑のカメラアイコンが表示されている

300fpsのハイスピード撮影モードの画面。上部の中央右寄りに「H」マークの緑のカメラアイコンが表示されている

 さっそく撮影してみることにする。撮影モードはP(プログラムオート)やシャッタースピード優先/露出優先/マニュアル撮影などのほか、撮影シーンに合わせて自動で各モードを切り替える「i.A.(インテリジェントオート)」を備える。

 風景や夜景、逆光や夕焼けといった撮影モード切替のほか、ローライト撮影や人物認識も備えており、気軽な撮影ならば、ほとんどこのままで使えるだろう。

 このほか、撮りたい人物の顔を画面でタッチするだけの顔追尾や、静止画撮影時のスマイルショット、画面でタッチした部分の色にフォーカスが追従する色追尾などの機能も備えており、簡単操作の撮影もひと通りこなしてくれる。

桜の花びらの微妙な色や、質感まで鮮明に捉えている。ディテール再現はかなり優秀。また、奥の花びらなどの微妙なぼけ感もきれいだ

桜の花びらの微妙な色や、質感まで鮮明に捉えている。ディテール再現はかなり優秀。また、奥の花びらなどの微妙なぼけ感もきれいだ

 撮影映像は、明るく鮮鋭感の高い映像で、動きもスムーズ。1080/60p撮影ということもあるだろうが、コニカミノルタHDレンズや裏面照射型の1/2.3インチCMOSセンサー搭載など、光学系もしっかりこだわっており、HDビデオカメラとしてはかなりの高画質と言える。

 撮影では、3月上旬ですでに満開となっていた地元の河津桜などを撮ったが、満開の桜の細部まで鮮明に撮影できた。花びらの微妙な色の変化や、幹の質感なども優秀だ。色再現も含めてかなり豊かなタッチの映像という印象で、なかなか魅力的な映像に仕上がっている。豊かな色ののりにディテールの情報量が負けていないので、決して色の豊かさだけの厚化粧風の映像にはならず、見応えがある。

 気になったのは、本体の液晶モニターの画質がかなり明るめで、色が薄めに感じたこと。そのため撮影時は精細ではあるのだが、少々色のあっさりとした傾向なのかと感じた。

 撮影後に自宅の薄型テレビで確認すると、色の微妙な再現を含め、豊かな色再現ができていたので安心したが、おそらく液晶モニターの画質は屋外でも見やすい映像とし、特に撮影後に気付くことの多いフォーカスのずれをきちんと把握できるような調整となっているのだろう。店頭などで液晶モニターの画質を見ると勘違いしやすいので注意しよう。

ゲインを自動調整するAGCでの撮影。夜空の黒がしっかりと沈んでいる。ビルのネオンの付近には多少ノイズが出ているがほとんど気にならない

ゲインを自動調整する「AGC」での撮影。夜空の黒がしっかりと沈んでいる。ビルのネオンの付近には多少ノイズが出ているがほとんど気にならない

ゲイン調整をAGCSオートにして撮影。さすがにノイズは増えてしまうが、薄暗いビルやマンションの灯りだけでなく、ディテールまでしっかりと撮れている

ゲイン調整を「AGCSオート」にして撮影。さすがにノイズは増えてしまうが、薄暗いビルやマンションの灯りだけでなく、ディテールまでしっかりと撮れている

フォーカスをわざと外してぼやかしてみた。絞りの形状はほぼ円形。2枚絞りとしてはかなりきれいないボケ感だ

フォーカスをわざと外してぼやかしてみた。絞りの形状はほぼ円形。2枚絞りとしてはかなりきれいなボケ感だ

 続いて、夜の街並みなどを撮影してみたが、感度調整を「AGC」にしていても暗部の締まりはかなり良好で、ノイズの発生も少ない。さすがは裏面照射型CMOSセンサーということもあり、感度特性が高く、薄暗く感じがちな室内撮影でもかなりきれいな映像が撮れた。

 感度調整を「AGCSオート」にすると、ノイズはやや増えるもののビルの窓などもしっかりと撮影できる。夜景を美しく撮るならばAGCがいいし、被写体をしっかりと撮影するならばAGCSオートと使い分けるといいだろう。

 また、フォーカスがぼけた部分での街灯や車のヘッドライトを見ると、絞りの形状がほぼ円形になっていることがわかる。木漏れ日のような逆光撮影でのフレアの出方を見ると、フレアが大きい部分は6角形で、小さくなるほど円形に近づくようだ。絞りは2枚絞りだが、形状の工夫により6枚絞りなどの機種にも負けないボケ味を生かした撮影ができるようになっている。

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