光学30倍ズームで死角なし!?
「FinePix HS20 EXR」
F550に対してHS20は硬派な造りだ。「FinePix HS10」(関連記事)の後継モデルということで、見た目もEVF(電子ビューファインダー)を搭載した一眼レフのスタイルを取り入れている。
従来機は(通常の)1/2.3型 裏面照射型CMOSセンサー(有効1030万画素)を採用していたが、前述のとおりHS20は新しいEXR CMOSセンサーを搭載。背面モニターはマルチアングルの液晶パネルを継承しており、ハイアングル、ローアングルのどちらでも見やすい位置にモニターを向けることができる。
レンズは24~720mm相当(35mmフィルム換算)、F2.8~F5.6の光学30倍ズームレンズを搭載。このズーム倍率があれば、よほどの状況でもない限り物足りなさは感じないはずである。
このレンズ、倍率は高いが焦点距離をズームリングでマニュアル操作できるようになっている。F550のようなモーターによるパワーズームではないので、焦点距離の微調整や、素早い動きにも対応しやすい。
このため、普段デジタル一眼レフを使用している筆者が使っても、あまり違和感を覚えなかった。しかも、1cmまで寄れる「スーパーマクロ機能」もあるので、この一台でかなり広範囲な撮影シーンに対応できるだろう。
絵作りできるのがHS20のポイント
HS10には、5枚の画像を連写し、動きが分かる1枚の画像に合成する「動体キャッチ」や、同じく5枚連写して、歩行者や車などの動いている被写体を自動で取り除く「動体キャンセル」(関連記事)といった面白い機能が搭載されていた。しかし、この機能はHS20には継承されなかった。撮影の設定などはF550とほぼ同等となっており、機能的には従来機のHS10よりはF550に近いようだ。
その代わりと言ってはなんだが、F550と共通の「プレミアムEXR AUTO」撮影モードを搭載しているので楽チンな撮影がしたい場合の便利さは増している。
一方で、F550よりも細かい設定メニューがいくつか追加されているのはHS20の特徴だ。「ノイズリダクション」や「WBシフト」「カラー」「トーン」「シャープネス」といった、デジタル一眼レフなら普通にある調整項目が利用できる。
つまりF550であれば「フィルムシミュレーション」で「Velvia/ビビッド」を選択したら、デフォルトの彩度やシャープネスでしか撮影できないが、HS20であればさらに色の濃度やトーンを自分好みに調整できるのだ。
レンズ交換してまで画角の多彩さは求めないが、自分なりの絵作りはしてみたいというこだわりのあるユーザーにはHS20が向いているだろう。
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