鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第28回
「ブルーレイDIGA」がライバルを突き放す怪物に進化!?
その価値はBDレコ2台超! パナの「DMR-BZT900」
2011年03月09日 12時00分更新
最大15倍の長時間録画機能搭載
3D再生機能も強化
続いて機能面を紹介していこう。トリプルチューナーと並ぶ注目の新機能が最大15倍となった長時間録画だ。この「HZ」モードは転送レート約1.6Mbpsと、数値で言えばインターネット用の低解像度動画とほとんど変わらない。これでハイビジョン解像度の記録を行なうのだから技術の進歩には恐れ入る。この長時間録画の数値競争はどこまで行くのかという気にもなる。肝心の画質については後述する。
録画番組のリスト表示など、基本機能は従来機を踏襲しており、大きく変わった点はあまりない。しかし、パナソニックのBDレコはマルチタスクでは他社を圧倒する実力を備えており、大きく変える必要もないだろう。
テレビ録画以外の新機能としては、3D再生機能が大幅に強化された。3Dテレビとの接続時に、レコーダー側で「2D→3D変換」が可能になったほか、「3D奥行きコントローラー」を新搭載。これは、3D映像の奥行きや飛び出しの量を微調整できるもの。ソフトや好みに応じて3D感を加減できるので、迫力重視にしたり、目に優しい映像にしたりと使い分けられるだろう。
さらには、画面の両端を奥行き方向に曲げて目に優しい奥行き感とする「曲面表示」や、飛び出した映像が画面の枠でばっさり切れてしまう立体視特有の違和感を少なくするため、画面のフチにぼかしを入れる「画面境界のぼかし」といった機能が加わっている。
無線LAN内蔵でケーブルの取り回しが楽になる
ネットワーク接続では、新たに無線LANユニットを内蔵。「AOSS」や「WPS」といった簡単設定に対応しており、極めて手軽に初期設定が行なえる。無線LAN環境が整った家庭ならば、LANケーブルを引き回す必要がなくなり、快適に使えるだろう。
ネットワーク機能では、「アクトビラビデオ・フル」や「TSUTAYA.TV」「YouTube」およびSkypeといったサービスに対応。Skypeは、PCを中心に普及しているインターネット通話サービスだが、テレビを使ってビデオ通話ができることもあり、ユーザーにも好評のようだ。
一般的に、ネットワークでの動画表示を行なう際、気を付けたいのが画面サイズの設定だ。多くのテレビは初期設定の画面サイズは画面全体をやや大きく表示する“オーバースキャン”となっているが、そのままの設定で配信動画やBDソフトを表示すると、画面の端が切れてしまう。ユーザーは“ドット・バイ・ドット”表示に切り替えるなどの操作が必要になるが、それはちょっと面倒だ。
本機の場合、「テレビでネット」使用時に画面サイズを調整することで、レコーダー側でサイズを縮小してテレビに出力してくれる。つまり、テレビ側で面倒な画面サイズの切り替えを行なわなくていいのだ。
このように細かな使い勝手や機能性も強化されており、かなりの完成度になっていることがわかる。ここまでの完成度に他社が追いつくのはなかなか大変なのではないかと、余計な心配をしてしまうほどだ。
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