「MCS 2011 体験データ」で、
こんなことがわかります
MCS 2011を基に書いた『ソーシャルネイティブの時代』では、いまの20代が、ソーシャルメディアやiPhoneを最も使っているというデータを紹介した(前回のこのコラムでも触れた)。人数では団塊ジュニア世代となる30代が多くなるが、年代別の利用率では20代が上回る。
「MCS 2011 体験データ」では、そうしたことに限らず、ソーシャルメディアの利用内容が世代によって異なることも分かる。実のところ、20代と30代以上では、ソーシャルメディアの利用率ということよりも、それとの付き合い方が大きく異なっている。
たとえば、「商品・サービスの評価、その他情報のネットによる共有」という設問に対する答えでは、ブログは全世代が参考にしているのに対して、SNSと答えた人は20~30代が多い。特に20代は、TwitterやYouTubeなど、ソーシャルメディアや動画共有サイトから情報を得る比率が高い。
「ブログ・SNS ・Twitter 等の利用目的」(WE11.2~5)でも、20代と30代以上とで違いが見られる。コミュニケーション的な目的では世代間の違いはあまり見られないが、「自分の考えや行動」の記録・共有などで、20代が高い。mixiやFacebookで「いいね」ボタンを押すのは20代が高く、参考にするは30代が高い。
一方で30代以上には、ソーシャルメディアをリアルと関連させて使っている傾向が見える。30代は、「SNS内のグループやコミュニティに所属しており、アクティブに活動している」や「SNS等のサービスで初めて知り合った人と、オフ会やセミナーや個別に設定して会ったことがある」と回答する比率が高いのだ。また、利用目的で「ネットで活動している著名人と接する、より知るため」と答えた人も、相対的に30代以上が高い。
30代以上の世代は、いままでのリアルな人間関係、情報に対する価値判断を、そのままネットの中にあてはめようとしている。それに対して、ソーシャルネイティブの中心層となる20代は、すでにコミュニケーションの形が異なってきている。
彼らは、Twitterでは「つぶやく」、Facebookでは「いいね」ボタンを押す、foursquareでは「チェックイン」する。非常に紋切り型で、プリミティブな信号を発信する傾向が高い。ソーシャルメディアの中ではそのほうがより伝播することを、無意識のうちにも体得しているのだろう。
「ネット」と「コンテンツ」が
消費行動を大きく左右する
MCS 2011は、ネットの推定人口構成比に合わせた1万人を対象に、「ネット上の行動」と「コンテンツの消費」を詳しく聞いた調査である。いままで、マーケティングの指標としては、性別・年齢、職業、居住地、年収、学歴、購読新聞などが使われてきた。これらがいまもって意味を持っていることは間違いないが、リアルとバーチャルが融合しつつある昨今では、新たな指標があるはずなのだ。
すなわち「ネット」と「コンテンツ」の2つが消費行動を、つまり意志決定や思考形態を決めるようになってきていると思う。事実、コマースであればそれによってクロージング、つまり「決済ボタン」を押すところまでいくし、ソーシャルメディアであれば、それによって自分の意見を書き込むスタイルを決めている。
しかも、「MCS 2011 体験データ」を見ていただいてもわかるように、特に20代のソーシャルネイティブ層や、ネットを日常的に使っている先進層では、ライフスタイルが大きく変化してきているのだ。それらも含めて、ネット時代の日本人のライフスタイルを具体的に俯瞰して縦横に分析できるのが、「MCS 2011」である。
日本のネットに関していえば、この2ヵ月の間にもう1つ起きている重要なことが、Yahoo! Japanの検索エンジンがGoogleのものになったことだ(関連記事)。つまり、ほとんどの人の画面で、同じ検索結果を表示するようになったのだ。そうした状況の中で、われわれのデータから新たなインサイトを掴んでいただきたい。
広告、マーケティング、商品企画、経営企画、新規事業開発、教育、サイト運営、コマース、ソーシャルメディア、CSR、危機管理、コンテンツ企画などに関わる方々は、まずは「MCS 2011 体験データ」をダウンロードして、MCSに実際に触れてみていただきたい。
MCSの詳細については、こちらをご覧ください。
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