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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第189回

新宿の裏通りで猫を尾行してみる

2011年03月04日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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後ろにも猫がいたのに……

先回りして待ち構え、タイミングを見計らって撮るべし。液晶モニターが回転するカメラなので、しゃがんでじっと待てるのがいい。後ろ足が伸びてます(2011年3月 キヤノン Powershot G12)

先回りして待ち構え、タイミングを見計らって撮るべし。液晶モニターが回転するカメラなので、しゃがんでじっと待てるのがいい。後ろ足が伸びてます(2011年3月 キヤノン Powershot G12)

 次は大きなお寺で見かけた黒猫。とことこと一目散に歩いて行くので尾行してみると、こちらに気づきつつ、でも足を速めることもなく、墓地へ向かい、墓石の隙間をぬって奥へ向かう。

 こちらは次の登場を予測して待ち構えるが、いやあ、ピントを合わせつつ、タイミングよく撮るのはなかなか難しい。今回はコンパクトデジカメだったので、顔を出してからピントを合わせていては間に合わないのだ。

ピントが合ってないのでボツにしたかったのだが、後ろの塀の上に別の猫が写っていたので、“気づかなくて悔しい記念”で掲載してみた。黒猫ばかり気にしていて、周囲への注意力がおろそかになっていた(2011年3月 キヤノン Powershot G12)

ピントが合ってないのでボツにしたかったのだが、後ろの塀の上に別の猫が写っていたので、“気づかなくて悔しい記念”で掲載してみた。黒猫ばかり気にしていて、周囲への注意力がおろそかになっていた(2011年3月 キヤノン Powershot G12)

 急にこっちへ向かわれるとピントを合わせ直してる暇がない……どころか、後ろの塀の上に別の猫がいたのにすら気づかない始末。帰宅して写真をチェックしていて「あ、ここにも猫がいた!」と頭を抱えたのである。

 この黒猫、墓地の奥まで行くとおもむろに立ち止まり、そこに生えている木の根に顔をこすりつけたり、舐めたりし始めたのだった。そしてやっとこっちを向いてくれた。

振り向いてくれたと思ったら、厳しい人生を送ってきたとおぼしきふてぶてしい顔でした(2011年3月 キヤノン Powershot G12)

振り向いてくれたと思ったら、厳しい人生を送ってきたとおぼしきふてぶてしい顔でした(2011年3月 キヤノン Powershot G12)

 いったいそこで何をしていたのか皆目わからず。餌が置いてあるわけでもなかったし。謎である。

 3匹目は新宿の裏通りを堂々と歩いていて、そっと尾行すると、いきなりたばこ屋兼酒屋の前に。

お腹がぷくんとしている毛並みのいい猫。人が立っているのにも構わず、お店の前に歩いて行った(2011年3月 キヤノン Powershot G12)

お腹がぷくんとしている毛並みのいい猫。人が立っているのにも構わず、お店の前に歩いて行った(2011年3月 キヤノン Powershot G12)

自動ドアの前にぴょこんと座るも、客の出入りが気になっていちいち見上げる。「ここはおれの場所だ!」とばかりに動かない(2011年3月 キヤノン Powershot G12)

自動ドアの前にぴょこんと座るも、客の出入りが気になっていちいち見上げる。「ここはおれの場所だ!」とばかりに動かない(2011年3月 キヤノン Powershot G12)

 やがて、お店の人が出てきて、店頭でお昼ご飯(冒頭写真)。どうりで人に馴れてるわけだ。

 こんな感じで、いないように見えて、実は……という意外性が猫の面白さのひとつだったりするのである。


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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメのレビューをしている。趣味はネコと自転車で、天気がいい日は自転車で都内を走りながらネコを見つけては撮影する日々。最近の単行本は『デジカメ撮影のネタ帳 シーン別ベストショットの撮り方』(MdN)、『デジカメ撮影の知恵』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫。2010年4月27日発売)。Twitterアカウントは@ogikubokei。ときどき猫動画をアップするYouTubeのアカウントもogikubokei



*次回は2011年3月11日掲載予定



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