IE9 RC vs Chrome V10 vs Firefox 4.0b12
今回は手元のパソコンで、ACID3とCSS3の互換性テストを実施してみた。テストしたウェブブラウザーは、IE9 RCとChrome v10.0.648.119 beta(以下Chrome V10)、Firefox 4.0 Beta12(以下Firefox 4)の3種類だ。W3Cテストとは若干バージョンが異なり、Chromeは次世代バージョンのV10、Firefoxはビルドがひとつ上がったバージョンとなる。
テスト環境は、Core i5-660(3.33GHz)、Intel Q57チップセット、CPU内蔵GPU使用、メモリー4GB、HDD 500GB。
ACID3テストは、JavaScriptやDOM2(Document Object Model Level 2)のテストを中心に行なうものだ。一方のCSS3テストは、HTML5で採用されている新しいスタイルシートを使う。CSS3はウェブサイトのデザインを記述するので、CSS3の動作がウェブブラウザーごとに異なると、表示されたサイトのデザイン(見た目)も異なってしまうことになる。
ACID3テストでは、Chrome V10が100%の互換性を実現していた。Firefox 4は97%で、IE9 RCは最も低い95%となっている。ACID3に関しては、IE9はリリースまでにもう少し修正が必要と言えそうだ。
一方CSS3テストでは、IE9 RCとFirefox 4が100%の互換性を示した。Chrome V10は97%となっている。
最も速いブラウザーはIE9 RC!?
続いてウェブブラウザーのパフォーマンスを計測してみる。今回は連載40回で「Internet Explorer 9 Platform Preview 7」(IE9 PP7)の評価に使用したJavaScriptベンチマークテスト「SunSpider 0.9.1」と、IE9のデモページ「IE9 Test Drive」にある「Shakespeare's Tag Cloud」(Tag Cloud)、HTML5ベンチマーク「HTML5 Sudoku」「Galactic」を使用して計測した。なおSunSpiderでは、以前に計測した各ウェブブラウザーの現行正式版の結果も掲載した。
まずSunSpiderでは、IE9 RCが178.2ms(ミリ秒)と最も速い。IE8と比べると20倍近くも高速化されている。IE9 PP7と比べても1.2倍ほど速い。Firefox 4やChrome V10も性能向上しているが、200msを切ることはできなかった。
比較対象のウェブブラウザーはβ版のため、今後JavaScriptの処理性能が向上してくる可能性はある。だが、IE8から桁違いの性能向上を果たしたIE9 RCは注目に値する。というよりも、IE8のJavaScriptエンジンが遅すぎたとも言える。
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