スマートフォンで知られるHTCの日本法人、HTC Nipponが都内で説明会を実施。HTC本社でCPO(Chief Product Officer)を務め、製品統括を行なう小寺康司氏が、「Mobile World Cogress 2011」(MWC)で発表された製品を中心に説明を行なった(関連記事)。
MWCで発表された6製品を日本でも紹介
個人的に気になったのはQWERTYキー付きの「ChaCha」
まずは注目の新製品。MWCで発表済みのうち今回紹介された端末は、スマートフォンではメインストリームとして「Desire S」「Wildfire S」「Incredible S」の3台に加えて、Facebookの“f”マークを模したボタンが用意される“Facebookフォン”の「ChaCha」と「Salta」。さらにHTC初となるタブレット端末「Flyer」の計6台だ。
中でも「Incredible S」はデザイナーの新しい感覚を優先し、盛り上がったような背面が特徴的なデザイン端末だ。同社では台湾に加え、サンフランシスコなどにもデザイン拠点を用意し、同社の端末であることが一目でわかるような“HTCらしい”デザインとともに新しい試みも行なっており、カラーバリエーションなどの展開も今年以降は積極的に展開していきたい考えのようだ。
タブレット端末の「Flyer」は、Android 2.4(Gingerbread)をベースに独自UIの「HTC Sense」を用いている。競合他社から多数のタブレット端末が登場する中、「なぜ早く出さないのかという声はあったが、時間をかけてちゃんと差別化するというのを目指していた」のだという。
特徴的なのはタッチ操作とともにスタイラスペンの利用も可能な点。「Scribe」と名付けられた技術の組み合わせで、たとえばウェブサイトを表示中、そこにメモなどを書き加えられる。その書き加えたデータは画像として保存可能で、知人などにメールで送信するなど情報の共有が便利になる。
スマートフォンとともに成長しているHTC
「HTC Sense」を通じてユーザー体験を向上させる
またHTCの現状についても紹介された。スマートフォン市場拡大とともに同社の業績が非常に好調であることをアピール。2010年は前年の倍以上となる2500万台の出荷を果たした。
一方で現在注力しているのが、ブランド力の強化である。その際にキーとなるのが製品を通じての体験だ。そこで同社独自のUIである「HTC Sense」に磨きをかけ、「ユーザーのエクスペリエンスをいかによくするかに徹している」のだという。
具体的には、最新の「HTC Sense」に83ヵ国の地図を事前にダウンロードできるようにしている。これにより、国際ローミング時の予期せぬパケット料金の発生を防げる。また天気のウィジェットにしても、雨のときは画面に水滴を表示し、思わず画面を拭わせるような演出を加える。こうした細かな部分にまで工夫を加えることで、ユーザーエクスペリエンスの向上を果たしているとのことだ。
日本国内に特化した端末についての質問があった際は、同社の日本市場における売上の割合が数%とのことで、なかなか難しいような感触を持ったが、NFCについては「今年の後半からグローバルで対応したい」とのことで、その中でFeliCaにも対応する予定であるとした。
