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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第188回

何もない冬の海辺に集まる猫たち

2011年02月25日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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きりっとした顔でよく鳴いていた長毛くん。逆光だと毛がきらきらしてきれい(2011年1月 ニコン D7000)

きりっとした顔でよく鳴いていた長毛くん。逆光だと毛がきらきらしてきれい(2011年1月 ニコン D7000)

 とある雑誌の作例撮り中のこと。一緒だったカメラマンが「猫のいる海岸があるから行こう」と言う。

 車で連れて行かれたのは何の変哲もない海岸。自動車専用道と海に挟まれた狭い海岸線で、なぜか駐車場がある。誰が何のために使う駐車場かわからない。

 近くに人が集まる施設もありそうにないし、海で遊んでる人もいない。夏には遊びに来る人もいるのだろうか。

 今は冬。それでも車が何台か止まっていて、そのうち数台は、中で仕事をサボってるとおぼしき社会人が昼寝していたりする。近くでは河口の工事をしている。

 もっと不思議なのは、そこに何匹もの猫がいることだ。どこで何を食べているのか、飲み水はあるのか、誰かが何気なく世話をしているのか、そもそもなぜここにいるのか。捨てられたのか、いつから居ついたのか。そんな場所なのだ。

車が止まってるから駐車場っぽい。左上に見えるのは西湘バイパス(2011年1月 カシオ EXILIM EX-H20G)

車が止まってるから駐車場っぽい。左上に見えるのは西湘バイパス(2011年1月 カシオ EXILIM EX-H20G)

海側はこんな感じ。車がちらほらと止まっていて、駐車場の向こうはちょっとした浜と海。ほかには何もない場所に、なぜか猫がいるのだ(2011年1月 カシオ EXILIM EX-H20G)

海側はこんな感じ。車がちらほらと止まっていて、駐車場の向こうはちょっとした浜と海。ほかには何もない場所に、なぜか猫がいるのだ(2011年1月 カシオ EXILIM EX-H20G)

 ここへ連れてきた友人のカメラマンが、なぜこんな場所を知ってたのかも謎である。日本にはまだ謎な場所が多い。

 でも猫がいると撮るのだ。

 ここの猫たちは人間を警戒しつつ、でも害を与えないなら遊んであげたり、餌をくれるなら食べてあげるのもやぶさかではない、って孤高さを醸し出していて、いい感じなのである。

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