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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第49回

企画も運営も作曲もワンマンの「デPフェス!」を追う

ついに来たか、“一人ロックフェス”時代

2011年02月26日 12時00分更新

文● 四本淑三

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「人には演奏不可能」が演奏された

―― このイベントの企画や運営は?

デP 自分でやってます。ハコを押さえたりチケットを売ったりは、知り合いに手伝ってもらっていますけど。ずっとライブはやりたい気持ちはあったんですけど、面倒くさいじゃないですか。メンバーのスケジュールを合わせてスタジオに集めたり。

―― だからよくやっているなあと。バンドでデPの曲は演奏したことは?

デP あります。ただニコニコの最初の頃は、ボーカロイドとDTMでやる以上、人間にはやれない曲をということで、デPの曲は人が歌うには不条理な音程だったり、口にするのも恥ずかしい歌詞だったり、曲も速くてテクニカルな曲が多かったんですよ。

ライブ経験は豊富なデP

―― 確かに難しい曲ばっかりですよね。

デP だけど、ニコ動でそれを演奏する猛者たちが出てきちゃったわけです。で、ちょっとずつハードルを上げたりしていたんですが、それでも付いてきちゃって。ああ、やっぱ人間ってすげえなと。最初はミクじゃないとできないと思っていた曲が、ニコニコにできる奴がいた。だからライブをやるということです。

―― そこまで言うとは、よっぽどのことが。

デP 俺にしても最初はまだ鍵盤が下手で、BPM180くらいの曲を120くらいに下げて録音してたんですが、それが3年経って「これ弾けんじゃね?」ってなってたわけです。

―― 3年でそんなに進歩するんですか、へえええ。

デP それでドキ生に出て「行けるじゃん」ってことになったんです。難しい曲だったけど演奏できたし歌えたわと。コード進行が複雑だったりするので、演奏できると達成感があるわけですよ。それで無責任なドラマーのショボンって奴が「ねえ、デPもっとライブやろうよ」って。

ドキ生 : 2009年5月に始まったライブイベント「ドキッ☆ ボカロ曲だらけの生ライブ ~Pもあるよ~」。主催者はにいとPさん。第2回のレポート記事はこちら

ドキ生

―― じゃ今回のライブは彼の発案だったんですか。

デP そうです。キーボードは俺一人なんで、ライブでは20~30曲全部弾かなきゃならないんですが。

―― そ、そんなにやるんだ。

デP もう罰ゲームですよ。だから言いだしっぺのドラマーにも「お前も全部やれや」と言い渡してあります。その巻き添えを受ける形で[TEST]さんというギターの方も「全曲やれるよねえ?」とメールしたら「うん、頑張るよ」みたいな返信が来て。なんてイイヤツなんだ。

(次のページに続く)

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